2019年_オーストラリア(第103回ピースボート)

オーストラリアの環境問題、待ったなし ~デイヴ・スウィーニーさん~

1月7日、第103回オセアニア一周クルーズで、バリからメルボルンまで水先案内人として乗船してくださった、核兵器廃絶国際キャンペーン(通称ICAN)の共同創設者、デイブ・スウィーニーさんと初めてのセッションを持ちました。ICANはオーストラリアのメルボルンで立ち上げられ、核兵器禁止条約の国連での採択と核なき社会への移行に大きく貢献したことが認められ、2017年にノーベル平和賞を受賞しました。

デイブさんは反核運動家でありながら環境保護活動家でもあるため、現地で発生している山火事や再生可能なエネルギーへの移行に至るまで、オーストラリアの状況を幅広く共有してくれました。オーストラリアが未だ解決できず抱えている先住民に対する課題や、今回の火事により約5億匹の動物が命を亡くしていること、その中でカンガルーを含め、生息中の30%のコアラが既に死に至っているとその深刻さを伝えてくれました。(2019年1月7日現在)

燃え続ける山火事について

オーストラリアで気候変動の影響が顕著になる中、2019年に何百万匹もの魚が死んだり、2020年に山火事により非常事態宣言がされるなど、エネルギー問題は選択を強いられていると、デイブさんは訴えかけました。このような現状を「通常」だと思っている政府側と「危機」に直面していると思う人たちの認識のズレが発生しているとのことです。

オーストリアが初めて世界に認識された時、200民族以上の先住民によって構成されていたにも関わらず、「無主の地」として知られました。今は彼らの伝統的な環境保護の知識が評価されたり、保護地区が作られたりしていますが、ウラン鉱山や放射能廃棄物をなくすための努力は未だに続いています。

質疑応答の時間には、「オーストラリアでは核の廃棄物はどのように処理されているのか」「ウランの採掘による汚染はどのようになっているか」など、参加者のオーストラリアの核や環境に対する関心が詰まった質問が挙げられました。

前日、英語だけで行われたセッションも盛況でした

 

ピースボートは今回の旅で、オーストラリアの山火事やICANを支援するための募金活動を行いました。

英語の記事はこちら:

■All Aboard: Peace Boat hosts ICAN Workshops across Australia

https://peaceboat.org/english/news/all-aboard-ican-australia

■Stories of the Black Mist: First Nation anti-nuclear activists share testimonies on Peace Boat

https://peaceboat.org/english/news/stories-of-the-black-mist

■All Aboard Peace Boat’s Australian Tour

All Aboard! Peace Boat’s Australian tour

文・写真:ピースボート 鄭銀貞(シルビー)
編集:ピースボート 渡辺里香

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