7月28日、広島の原爆資料館は、被爆体験証言を受け継ぐ伝承者による講話をオンラインで初めて行いました。
その伝承者は、第9回おりづるプロジェクトに参加してくださった東野真里子さんです。
お母さまの伝承者でもあり、原爆で目を失ったおばあさまの目の代わりのようにずっと寄り添っていた東野さんは、家族3代の被爆のお話をされるのが印象的です。そして母娘ならではの痛みの共感や助け合う姿は、たとえ戦争を知らなくても自分の家族に置き換えて感じることができ、多くの人の意識を変えてきました。
そんな東野さんが、パソコンの画面越しに約400人の高校生に語り掛けました。1996年から毎年広島へ修学旅行に来ているこの高校の生徒に、東野さんのおかあさまが被爆証言をしてきました。昨年から東野さんが引き継いだばかりなのに、新型コロナウィルスの影響で今年は実現しないかもしれないとの懸念がありました。ところが、新しい形として、オンラインでの交流が叶いました。
「今日心に残ったことを一つでも、家族や友達に伝えて欲い」と呼びかけられた高校生たちが何を思い、どう行動するのかが楽しみであり、大いに期待したいところです。
ピースボート 渡辺里香