3.核廃絶へのいろいろな動き

被爆75年広島を振り返る 出会いとこれから

75年の夏も、ひと段落。次の目標へ切り替えていく時期となりました。
この夏、ピースボートから川崎哲、渡辺里香、松村真澄が広島と長崎に伺い、たくさんの方々にお世話になりました。その中で、一緒に活動させていただいた近藤紘子さんと、渡部朋子さんを代表とするANT-Hiroshimaのみなさんを紹介します。

近藤紘子さんとの出会い

これまでのブログでも紹介したとおり、ピースボートは、核兵器廃絶キャンペーン(ICAN)との協力体制を組み、被爆75年に向けて、さまざまな企画を行いました。その中のひとつ「広島ICANアカデミー」のスピーカーをお願いした近藤紘子さん(広島被爆者/兵庫県在住)は、8月5日に広島入りし、2日間かけて多くのインタビューや講座をこなされました。National GeographyやAP通信の取材、「全米日系人博物館」主催のパネルディスカッション、ICANによるインスタライブ、放送大学の取材を受け、広島ICANアカデミーの若者たちへのスピーチで締めくくりました。

取材を受ける近藤紘子さん

近藤紘子さんは、「原爆乙女」など被爆者の救済と平和運動に打ち込んだ谷本清牧師を父に持ち、最近では今年5月にNHK「こころの時代」で取り上げられました。原爆投下の日に平和公園を歩くと、お知り合い、またはテレビで見たという方までもが立ち止まり、紘子さんに声をかけました。ひとりひとり丁寧に対応し、75年前に起きたことを記憶する大切さを語りました。多感な少女時代に数多くのショックを乗り越えてきた紘子さん。とりわけ若い世代へのメッセージにに魂が込められていました。また、組織には属さず、“一匹狼”で被爆証言を行ってきたという芯の強さも見られました。「私のこと使い過ぎよ!」と本音をこぼす茶目っ気には、その場を穏やかにする温かさがありました。1日半ご一緒するだけで別れが名残おしく、短いけれど充実した滞在に感謝しました。

紘子さんを特集したSNSにはこのようなものがあります。 Nowthis https://twitter.com/nowthisnews/status/1291514321751572480 

ホテルのロビーでお見送り

ANT-Hiroshimaのみなさんとの協働

8月5日に行われた議員討論会「被爆75年、核兵器廃絶へ日本はいま何をすべきか」は、核兵器廃絶日本NGO連絡会主催で行われました。国会からは各党代表者にご参加いただき、国連から中満国連事務次長が登壇、市民社会から被爆者とICANからベアトリス・フィン事務局長が参加しました。その時の様子は、NGO連絡会のHPにて報告されています:

この討論会は、NGO連絡会の参加団体でもあるANT-Hiroshimaのみなさんがいなければ成功しませんでした。2度のリハーサル、接続の確認、コロナ対策、パネリストへの配慮、メディアの対応、タイムキーピング、記録撮影など、人員配置されたみなさんが、各所で機敏に動きました。リハ、本番後には必ず振り返りが行われ、注意事項や反省を共有し、うまくいった点については褒め合いました。代表の渡部朋子さんは、「みんなで少しずつ力を寄せ合えば、大抵のことはうまくいくんよ」と爽やかな笑顔でおっしゃいました。

議員討論会を支えたみなさん

準備のために何度か事務所に伺いました。地元の被爆者、学生、記者、インターンの方々が和気あいあいと作業する姿は、平和の発信地であることを証明していました(食事もごちそうになりました!)。一人ひとりの力はANT(アリ)のように小さい、でも信頼の絆をベースに周りの人々と協力すれば平和を実現できる、という取り組みについて、実体験できたと感じています。
ANT-Hiroshima被爆75年夏のプロジェクト:
https://www.youtube.com/watch?v=DvwWKZC9lKM&t=741s

新型コロナ・ウィルス影響下、さまざまな行事や活動が縮小するなか、各企画のオンライン実施を模索しなければならない初めての夏でした。しかし、現地に赴き、集まった方々と息を合わせ、企画を実行し、感じたことを即座に共有しあう、ということの現場の貴重さも、改めて認識しました。ピースボートの哲学である「平和について現地の人とともに考え、行動する」。その大切さに立ち返ることができた気がしています。
核兵器禁止条約発効まであとわずか。さらなる目標に向けて、それぞれの場所で、時に一緒に、引き続き声をあげていきましょう。

ピースボート 松村真澄

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