2024年_ヒバクシャ地球一周(Voyage117)

おりづるプロジェクト~世代と国境を越えて~

ピースボートは、被爆国・日本を本拠とする国際NGOとして、核兵器の非人道性を世界に訴え、核兵器を非合法化することに貢献することが世界的な使命だと考えています。2024年の今年、ウクライナやガザをめぐる戦争も痛ましい状況が続いています。だからこそ今、ピースボートは、船旅による「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」を再開し、核兵器の非人道性を国内外に対面で直接広く伝え、核兵器廃絶を求める世論を高めていきたいと思います。

そこで、2024年4月に出発するピースボート地球一周の船旅Voyage117にて「おりづるプロジェクト~世代と国境を越えて~」(2024年4月13日から7月26日)を実施します。

【趣旨】

核兵器の威力を誇示して武力侵攻や戦争が続いています。その一方で、被爆者や世界の核実 験被害者の長年の訴えに応える形で誕生した核兵器禁止条約は確実に世界的な支持を広げ、 核の非人道性に対する国際的関心が高まっています。広島・長崎の原爆や世界各地の核実験 が人間に何をもたらしてきたのかを今一度みつめ、その声と経験を中心に据えて核兵器を禁 止していこうという動きが広がっているのです。
ピースボートも、この世界的な動きに参加しています。今こそ、世代と国境を越えた多くの 人々とともに、核兵器禁止条約への参加を促し、核兵器をなくすための具体的な歩みを強めていきたいと思います。

【被爆者】

田中煕巳さん

田中熙巳(たなか てるみ)さん 【横浜からケープタウン】
日本被団協代表委員、埼玉県原爆被害者協議会会長

1932年4月29日 中国東北部(旧満州)生まれ。東京理科大学物理学科卒業。工学博士。1938年父の死亡により、父母の姉たちがいた長崎に移住。1945年8月9日、県立長崎中学校1年在学時、爆心地から3.2キロの地点で原爆被爆。爆心地付近にいた二人の伯母の家族5人の命を一挙に奪われ、母方の伯母を野原で荼毘に付す。1972年から、被爆者運動に関わり、宮城県原爆被害者の会や日本被団協の役員を歴任し、2000年6月より、日本被団協事務局長を務める。2017年6月より日本被団協代表委員。

田中稔子さん(写真:ANT-Hiroshima)

田中 稔子(たなか としこ)さん 【横浜から地球一周】
広島被爆 1938年10月18日生まれ 被爆当時6歳
広島県広島市在住
国民学校に登校中2.3km地点で被爆。思わず顔を右腕で覆ったため、頭、右腕、首の左後ろ側を火傷した。その日の夜から高熱を出し、意識不明となるが、一命をとりとめた。米国ニューヨークの高校生に証言をするプロジェクト「ヒバクシャ・ストーリーズ」に招かれるなど、7年間で10回以上渡米し、アメリカのさまざまな人に被爆証言をしてきた。過去のおりづるプロジェクト(第1回、第10回)にも参加。

小川忠義さん

小川 忠義(おがわ ただよし)さん 【横浜から地球一周】
長崎被爆 1944年3月22生まれ 被爆当時1歳
長崎県長崎市在住
原爆投下当日は疎開していたが、1週間後自宅の状況確認のため入市し、被爆。自身の被爆当時の記憶はないが、被爆者の最後世代として証言を継承していけるようにと過去のおりづるプロジェクト(2012年第5回)に参加。また、現在は自身の趣味である写真を生かし、毎年8月9日11時2分の様子を写真に収める活動(忘れないプロジェクト)を行っている。これまでに県外や国外からも200枚を超える写真が集まり、被爆100年には1000枚を超えることを目指して精力的に活動している。

【核実験被害者】

メアリー・ディクソンさん

メアリー・ディクソンさん【米国からメキシコ】
脚本家、風下住民

作家・脚本家、ユタ州ソルトレイクシティ出身の風下住民、甲状腺がんの生存者。核兵器実験の生存者を支援するために、国際的に活躍する活動家。アメリカと日本の学会やフォーラムで核兵器の人間への影響について幅広く執筆や講演活動を行っている。過去4年間、風下住民やウラン鉱夫、および米国全土の支援団体の連合と共に、米国議会での法律の推進に取り組み、核兵器実験と製造の被害者への補償を拡大することを目指してきた。様々なドキュメンタリー映画でインタビューを受け、彼女の戯曲『Exposed』は批評家から絶賛され、全米各地のステージ上での朗読作品として上演されてきた。2012年、核実験の被害者たちのために行った生涯にわたる功績をたたえ、核問題連合から栄誉を称えられた。

【ユース特使】

日本国内外からおりづるユース特使を公募し、以下の2人が選考されました。

ロンユエン・フアンさん

Rongyuan Huang(ロンユエン・フアン)さん
中国出身、米国在住。日本への留学経験あり。
広島、パールハーバーを訪れ、戦争や原爆投下、歴史認識などに関して、自国を含めたそれぞれの価値観があることを実感。
全乗船者のうち約3割が日本以外のアジア諸国から乗船する今クルーズでは、被爆者と乗船者の言語的、文化的な橋渡しのサポートをしながら、お互いを尊重しながら意見の違いを認める大切さを伝えたいと参加を決意。

ジョエル・直樹・クリストフさん

Joel Naoki Christoph(ジョエル・直樹・クリストフ)さん
フランスと日本の両親の間に生まれ、幼少期より広島出身の伯父から被爆者の話を聞いて育つ。2023年G7ユースサミット、広島-ICAN アカデミーにも参加し、精力的に被爆証言や核兵器について学びディスカッションを重ねる。
フランス語、英語、日本語、オランダ語、ドイツ語、スペイン語と多言語を使いこなす。今回被爆者とともにクルーズに乗船し、国境や世代を超えたディスカッションができる橋渡しを目指す。

【担当スタッフからメッセージ】

今回voyage117でおりづるプロジェクトを担当します橋本舞です。2017年出航の第94回クルーズに参加者として乗船しその後ピースボートスタッフとなりました。

94回クルーズでもおりづるプロジェクトが開催されており、そのなかで被爆者の方が話していた「国籍や年齢関係なくどんな人でも、自分たちと同じ経験を二度としてほしくない」という想いを、自分も大切にし受け継いでいきたいと思うようになりました。また核兵器禁止条約ができたのも、長年にわたりその訴えを続けてきた方々がいるからです。今回、そんな多くの方の想いがつまっているこのプロジェクトの担当として乗船できることをとても光栄に思います。

プロジェクトが再開するという節目となるVoyage117クルーズで、同じ目標を目指す仲間に直接会いに行き士気を高めるとともに後世へと繋がる新たな仲間を増やします。また、核兵器使用のリスクが高まりつつあるこの世界へ今一度、その兵器を製造し使用するということは、いかに非人道的で長年にわたる影響があるのかを訴えていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

ピースボート地球一周の船旅Voyage117に関しては、こちら

文:渡辺里香

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