旧市街にはスペイン植民地時代の特徴的な建造物が数多く残され、その美しさと歴史的価値からユネスコの世界遺産にも登録されているカルタヘナ。
中南米からスペインへ向かう航路の中継地点となるここには、海賊からの攻撃から街を守るため数多くの要塞や海軍基地などが今もなお残っています。
カルタヘナではコロンビア地雷撲滅キャンペーン(通称:CCCM)の協力により、証言会を実施しました。証言会は「文化を超え対話によって平和を考えていく」をテーマに、過去にピースボートにインターンとして関わってくれた青年やジャーナリスト、地元で教師をしている人など約20名の方が参加しました。田中さん、小川さん、おりづるユースのジョエルが発言した後、会場からの質疑応答の時間を設けました。
コロンビア外務省の軍縮担当をしているマリア・ミラグロス・アビラさんともオンラインで繋ぎ、証言会とその後の特別会談を実施しました。
98回クルーズに乗船し当時の船内でも被爆者と交流をしたフアン・セバスティアンさんは「私も8月6日にボゴタで平和に関するイベントを開催する準備をしています。もっと一緒に平和に関する行動をしたいと考えています。今後もコロンビアで証言会をする際にはぜひとも手伝いたいので連絡をください」と、これからの平和を築いていくための決意を共有してくれました。
米国のノースカロライナで教師をしている参加者は「田中さんが発言していた『世界中に友達をつくる』という考えはとても大切だと思います。どの国の人も自分たちと同じなんだよ、ということを生徒たちにも知ってもらえるよう今後も頑張ります」と感想を述べました。
それを聞いた田中さんは「”核の問題は自分事”と考えてもらうためには、世界中に友達を作ることはとても大切なプロセスだと考えています。そんな素晴らしい考え方を持った先生に教えてもらっている生徒さんたちがうらやましいです」と感想を返しました。
証言会のあとは、会場に来ていたみんなで記念撮影をしました。
撮影中も「貴重な話を聞かせてくれてありがとう」「小川さんが始めた”忘れないプロジェクト”は行動を起こす一歩としてとても参加しやすいです」といった感想を小川さんや田中さんに個人的に伝えている方の姿が見られました。
証言会のあとは、オンラインにてコスタリカ外務省のマリア・ミラグロス・アビラ軍縮担当と繋ぎ、核兵器禁止条約への批准に向けての特別会談を行いました。
会場来訪からオンライン会議へと変更になったため、おりづるプロジェクト・ディレクターの渡辺と一緒に小川さん田中さんも参加しました。
コスタリカは国内の武力紛争を長く経験しており国内の和平は最優先事項の課題としてとらえられています。その一環の一つとして核兵器禁止条約にはすでに署名しており、現在は批准に向けて法整備を進めている最中です。
「法整備は優先課題として扱っています。これからの時代はコロンビアも、核廃絶に向けてリーダー的な動きをしたいと考えています」と会談の中でアビラ軍縮担当から発言がありました。
コロンビアの核廃絶に向けた積極的な取り組みを聞いた田中さんは「私たちも引き続き、日本政府に強く核廃絶を訴えなければ。アメリカの核の傘に守ってもらっているというのは理由にさせない」と決意を新たにしました。
文:橋本舞