2025年_ヒバクシャ地球一周(Voyage120)

Peace Crane Project 創設者・Sue DiCicco Smithさんとの出会い

ベルゲンからニューヨークまでの航海中、「TIME FOR PEACE プロジェクト」の一環として、Peace Crane Project の創設者である Sue DiCicco Smith(スー・ディチーコ・スミス)さんがゲストとして乗船されました。
アメリカを拠点に活動されているSueさんは、折り鶴を通して世界中の子どもたちが交流できる仕組みを築き、異文化理解や国際交流の機会を生み出しています。

船内で行われたSueさんの第一回目の講座では、ご自身の経歴や、プロジェクトが誕生するまでの経緯についてお話しいただきました。
Sueさんはもともとディズニーでも活躍されていたイラストレーター。
しかし、2012年、アメリカで悲惨な学校での銃乱射事件が発生したことをきっかけに、「子どもたちに“武器”ではなく、“アート”を持たせよう」という想いから、Peace Crane Projectを立ち上げることを決意されたそうです。

そこで彼女が思い出したのが、日本の文化 ― 折り紙、そして「折り鶴」でした。
「紙一枚で、世界中の子どもが参加できる。言葉が違っても伝え合える。そして、折り鶴はすでに“平和”の象徴として、世界中の人に知られている。」

こうして始まったPeace Crane Projectでは、世界中の子どもたちに向けて「鶴を折り、その羽に平和のメッセージを書き、それを世界のどこかにいる別の子どもと交換しよう」と呼びかけました。

講座でPeace Crane Projectについて紹介するSueさん

 

この活動は、ただ楽しいだけでなく、子どもたち一人ひとりに「自分も社会を変えられる存在だ」と感じさせる力を与えています。
平和のために、自分にできることを見つける。その第一歩を、折り鶴という小さな紙から踏み出せるのです。

これまでに154の国々、何百万人もの子どもたちと一般の方々がこのプロジェクトに参加し、折り鶴に思いを込めてきました。
Sueさんの言葉とともに紹介された、子どもたちの笑顔が溢れる写真や動画は、見る人に確かな希望と温かさを届けてくれました。

折り鶴を折りながら交流する参加者たち

 

乗船中には、Sueさんとともに「千羽鶴を折るワークショップ」も開催。
国籍や言語の壁を超えて、皆で折り鶴を折る光景はとても印象的でした。
折り方が分からない海外のお客様に、日本の参加者が自然に教えてあげる場面もあり、そこにはすでに平和な空間が生まれていました。
この船内で折られた合計2000羽以上の折り鶴は、Sueさんが8月6日の広島・平和記念式典に合わせて平和公園へ持参し、「原爆の子の像」の近くに捧げられました。

Sueさんはとてもフレンドリーで、日本語も熱心に学んでおり、乗船中にたくさんの友達を作っていました。また、船内の子どもの家を訪問し、子どもたちと絵を通して交流したり、元ディズニーのイラストレーターとしての経験を活かし、みんなでディズニーキャラクターを描くワークショップも開催。大人も子どもも夢中になる大盛況のイベントとなりました。

子どもの家の子どもたちとも交流

 

Sueさんが教えてくれたこと、それはとてもシンプルで大切なメッセージです。

平和は、大きな仕組みや条約だけではなく、一人ひとりの友情や出会い、心の交流から始まる。

折り鶴を一緒に折る時間、言葉を交わす瞬間、笑顔が生まれるその場こそが、すでに平和そのもの。そんな空間を船内で、そして世界中で広げているSueさんは、まさに平和を体現している方でした。
「自分にもできることがある」――その気づきを、私たちに与えてくださったことに心から感謝します。Sueさん、本当にありがとうございました。

アートが持つ平和のちからを教えてくれたSueさん

 

関連記事

  1. 明日、神戸で開催の上映会が毎日新聞に掲載されました
  2. 被爆者のみなさんが中東会議「ホライズン2012」参加者と交流しま…
  3. 被爆者から見た原発事故 ーチョルノービリを想うー
  4. 【報告】8月9日(金)長崎平和祈念式典
  5. 森喜代子さんと住吉トンネルの特集が長崎国際放送で放映されました
  6. おりづるユース橋本さん、ブルネイで演劇交流
  7. 8月5日 第7回「証言の航海」報告会 in広島
  8. 絵本作家森本順子さん 証言の「バトンタッチ」展のお知らせ@広島
PAGE TOP