先日私たちはロシアのウラジオストックに寄港し、港でコンサートを行いました。 一緒に旅をしているパルチコフさんの被爆バイオリンは、ウラジオストック港から出発し日本の広島にパルチコフさんと共にやってきました。
パルチコフさんはロシア革命と共に日本に亡命し、広島女学院で音楽やロシア語・英語を教えていたロシア人で、バイオリンと共に1945年8月6日被爆します。 その後パルチコフさん一家は日本を離れアメリカに移住します。
そんな多くの旅を経て生き残ってきたパルチコフさんのバイオリンは約100年ぶりにピースボートと共にウラジオストックに帰ってきました。
ウラジオストックで被爆バイオリンを弾いてくださったのは、バイオリニストの香田早智さん。 そしてピアノはガリーナ・グレベニウクさん、またガリーナさんの友人アンナさんも特別に共演いただきました。
このコンサートではパルチコフさんの物語に思いを馳せ音楽の音色を聴きながら平和への願いを共有してもらうため、日本語とロシア語でパルチコフさんについての朗読を行いながら聴いて頂きました。
会場にはウラジオストックの方々が大勢きてくださり、その中には「私の名字はパルチコフなの。もしかしたら遠い親戚かもしれないわ。なんだかとても不思議な気持ちになった」と話しかけてくださった方もいました。
約100年ぶりにバイオリンだけがロシアの大地に帰ってきました。
亡きパルチコフさんの思いや体験を、たしかに8月6日、セルゲイ・パルチコフさんというロシア人が広島で被爆したということを残されたバイオリンが「ものを言える証言者」として音を奏でることの重みをウラジオストックの方々と感じることができたのではないかと思います。
おりづるユース 安藤真子
<掲載メディア>
2019/08/15 Vestiprim.ur
Скрипка с интересной историей прибыла во Владивосток на морском лайнере Ocean Dream. Видеорепортаж Максима Каленника
https://vestiprim.ru/news/ptrnews/79643-skripka-s-interesnoj-istoriej-pribyla-vo-vladivostok-na-morskom-lajnere-ocean-dream.html#
2019/08/15 Sputnik日本
広島の原爆で焼け残ったバイオリン 故郷のロシアに届けられる
https://jp.sputniknews.com/life/201908156584311/