核兵器廃絶国際デー@ニューヨーク国連会合

3.核廃絶へのいろいろな動き

9月26日「核兵器廃絶国際デー」。

ニューヨーク国連本部でのハイレベル会合（各国の大臣などが出席する）にて、日本被団協を代表して、広島の田中聰司さんが発言することになり、ピースボートの渡辺は、同行兼通訳者として渡米しました。

9月24日

ニューヨークに到着してすぐに、ニューヨークの市民活動家たちと核大国のアメリカと、核兵器禁止条約にそっぽを向く日本政府をどう動かすかのあつ〜い議論が2.5時間！！

9月25日

モントリオールにあるLa Presseという新聞の、ローラ・ジュリー（Laura-Julie）さんの取材を受けました。すでに広島にも来たことのあるローラ・ジュリーさんは、田中さんに会うとすぐに「広島の好きなところ」を熱く語ってくれました。そして、今日も2時間たっぷりと日本政府とカナダ政府にお願いしたいこと、米政府に対して思うことなどを話しました。

次に、キリバス国連代表部が主催する会にも出席しました。キリバスは急速に進む気候変動に対して屈強で持続可能な取り組みを模索しています。そして、同時にキリバスは核兵器禁止条約で核被害者援助と環境修復の分野でリーダーシップを発揮している国でもあります。今回の会では、軍縮ブースがあり日本被団協のことを紹介するポスターが、広島・長崎の核被害と核実験による太平洋諸島国での被害と並んで紹介されていました。キリバスの若者たちがこのブースを説明してくれ、田中聰司さんは「私たち被爆者は、広島・長崎だけでなく、グローバル被爆者とともに核兵器のない世界を目指したいと思っています」と返答しました。

9月26日

この日は正式には「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」といい、核兵器による脅威と廃絶の必要性について世界的に啓発する日として、2013年に国連総会で定められました。2025年のこの日、国連ハイレベル会合で、日本被団協を代表して広島の田中聰司さんが発言し、次のようなことを強調しました。

・地球には人類を繰り返し全滅させるほどの核兵器と核被害者（グローバルヒバクシャ）が拡散し、核を持つ国の戦争を止められず、核兵器が使われるリスクは極限に達した。
・日本被団協へのノーベル平和賞の授与は「被爆者の声に耳を傾けよう」との世界への発信であり、危機感の薄さへの警鐘なのだ。
・核保有国のリーダーは残念ながら耳を貸してくれません。私たちは人類が核兵器と共存できないことを命ある限り、訴え続けます。

国連本部で開かれたハイレベル会合では、100を超える加盟国から核軍縮・核廃絶に向けての発言がありました。このことからも、核兵器を廃絶することでしか本当の安全は守られないという気概が感じられました。

核兵器禁止条約に参加する国が世界の多数に

国際デーに際してキルギスが署名、ガーナが批准！その結果、同条約に締約または署名した国は99カ国となりました。つまり、世界でこの条約に加わることのできる197カ国の過半数となりました。

会合後には、日本のメディア、国連メディアからの取材も

田中さんは国連TVの番組にも出演し、メリッサ・パークICAN事務局長とともに、核兵器廃絶の重要性について語りました。
田中さんは、自身が1歳の時に母親と一緒に被爆したこと、核兵器国にこそ自分たちの声を聞いてもらい、（核兵器廃絶に向けて）動いてもらいたいと訴えました。パーク事務局長は核兵器禁止条約の意義と、参加国が増え続けていることを説明しました。2つのノーベル平和賞受賞団体が協力して被爆者の声を国際社会に届け、世界をより平和にするため対話と軍縮の必要性を強調しました。