先日無事に帰港した第70回クルーズに水先案内人として乗船してくださったジャーナリストの伊高浩昭さんがLATINAという雑誌にニカラグアでの様子を寄稿されています。
9月28日・29日に入港したニカラグアでは、オルテガ大統領やアラナ駐日大使、被爆者の笹森恵子(しげこ)さんや渡辺淳子さんをはじめ、乗船者約1,000名と交流がもたれました。
記事には、その前後を利用して行われたインタビューで話されたことがアツイ想いと共に綴られています。
長年の独裁政権下での弾圧やアメリカからの制裁から市民の力で立ち上がって来た過程での変化や現政権下での直接民主主義による「21世紀型社会主義」の政治運営、対アメリカとの政策などについて、ニカラグアの政治有力者数名へのインタビューを元に構成されています。
さらに、オルテガ大統領の演説から、ヒロシマ・ナガサキの経験がありながらも世界が核戦争の危機に陥りかねない状況についても触れている。オルテガ大統領は、核戦争の危機を招いたのは、利己主義・富の集中・貧困増大に原因があると指摘した上で、世界の軍事費・科学を貧困根絶のためになぜ振り向けないのか、保健・教育拡充のために、世界の真の連帯のために用いないのか、と迫っています。
以下、伊高さんの記事より一部抜粋。
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中米で最も数奇な運命をたどった国ニカラグアを2010年9月28・29日、久々に訪ねた。NGOピースボート(PB)の船旅の途上であったため、太平洋岸のこの国随一のコリント港からの入国だった。滞在したのは同港と、車で2時間弱のレオン市だけで、この国に居ながら首都マナグアに行かなかったのは初めてのことだ。だが、キューバのハバナ港から乗船したオルテガ政権の閣僚級幹部たちと船内でたっぷり話し合う機会があったこと、コリント港でダニエル・オルテガ大統領(64)に会ったこと、さらには1978ー79年の革命戦争最終局面の激戦地だったレオン市一帯を案内してもらったことなどから、短時間には十分すぎる取材ができた。「静かながら熱い変革体制」という新鮮な印象を得たが、「サンディニスタ革命政権」が17年の長き不在の後に復活したため、新しい息吹が感じられたからに違いない。ーーつづく。
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