3.核廃絶へのいろいろな動き

阪口さんから ヒバクシャ・ストーリーズの報告

2011年12月初旬にニューヨークで開かれた「ヒバクシャ・ストーリーズ」に参加された、第4回おりづるプロジェクトの阪口博子さんから、レポートが届きました。

プログラムの内容とともに、ニューヨークの学生たちの反応、お手伝い頂いた方々のこともわかる、阪口さんのお人柄がにじみ出る報告です。ご一読ください。

「ヒバクシャ・ストーリーズに参加して」 阪口博子

ヒバクシャ・ストーリーズというのは、ニューヨークの若者に核なき世界を目指すため、核兵器の悲惨さを伝え、原爆被爆者が被爆体験を伝えるというNGOの取り組みのことです。2008年から始まったその活動に私も軍縮教育家のキャスリン・サリバンさんの招きで被爆二世として参加することになりました。日本、カナダ、メキシコから4人が参加することになっていました。
12月2日、長崎から羽田着、成田へ乗り継ぎ3日の朝ニューヨークへと旅立ちました。
成田で待ち合わせるはずだった広島の被爆者・平井昭三さんがドクター・ストップで急遽キャンセル。心細い思いを抱きながらの12時間でした。
JFK空港では、ボランティアスタッフのカロリーナさんと同じく長崎出身で被爆二世のアーティストみやこさんが出迎えてくれ、キャスリンさんの自宅があるブルックリンへとむかいました。 キャスリンさんの自宅は断熱など最新のエコを取り入れた素敵な家でした。そこで、カナダのサーロー・節子さん(第1回おりづるプロジェクト参加者)と一緒に共同生活を始めることになりました。朝から毎日キャスリンが作ってくれたみそ汁と白いご飯をいただき、約10日間御世話になりました。
4日は、メキシコ在住の山下泰明さん(第1回おりづるプロジェクト参加者)も合流し、約15人のボランティアスタッフと交流しました。アメリカ人スタッフのほかに日本人女性が通訳としてたくさん参加されていました。英語が話せない私のために、こんなにたくさんの方が協力されていうことにちょっと申し訳ない気もしました。そこで「ヒバクシャ・ストーリーズ」の大まかな日程と説明を受けました。12月5日から9日までの5日間、ブロンクス区やクィーン区、マンハッタン区等で17の高校と1の大学を3人2組で分担して話をしました。1時間半から2時間かけて車で移動しながら1日に2校を訪問、私は山下さん、節子さんそれぞれペアになって8高校と1大学での証言活動をおこないました。
私は自分の母親の被爆体験と被爆二世の放射能による遺伝的影響について、また、原子力と原発の関連についても話をしました。日本を大好きで、興味津々の子ども達がいる高校もあれば、家庭の状況がかなり問題のある高校もありました。しかし、どの学校も先生達の協力もあり、話を聞く子ども達のまなざしは真剣で、涙を流して駆け寄って来る子もいました。そして質問もたくさん出ました。核兵器をなくすにはどうしたら良いのか、と私たちに問いかける子もいました。前向きに受け止めてくれる子ども達が多く、未来への希望の兆しみたいなものも感じてきました。
私たちのために、折鶴を一生懸命折ってくれた高校や、それぞれの子ども達が日本語で記入した横断幕(約10メートル)をプレゼントしてくれた高校もありました。
その他の活動として私と山下さんは国連の通訳ガイドやインターンの方にも話しました。世界中から訪れる政府関係者や観光客に、原爆展示についても案内する役目や、各国政府の重要な役目を担うであろう方に、フクシマの問題や被爆二世の話をすることは特に重要なことだと、キャスリンさんから励まされました。インターンの方からは、フクシマでの日本政府の対応や、被爆二世が置かれている状況についても質問がだされました。
多くの日本人ボランティアスタッフ(全員女性でした)がキャスリンさん達の活動を支えていることを実感しました。またニューヨーカーの方々の暖かいフレンドリィな人柄にも感動しました。また、通訳スタッフの方達も、通訳として参加することにより多くのことを学ばせてもらっていると逆にはげまされました。
受け入れた高校の先生方からも「この経験はきっと子ども達の心に残り、何か重大な時な判断をする時にこの経験がきっと生かされるでしょう」と励ましの言葉をいただいたことも忘れられません。私自身が未来への希望をつなげた貴重な経験だと、参加させていただいて感謝の気持ちでいっぱいです。

追伸:(2012年1月17日追加記事)
今回の「ヒバクシャ・ストーリーズ」も、ピースボートの「オリヅルプロジェクト」についても、原爆の実相を伝え、核兵器の廃絶、そして核も戦争もない平和な世界を築こうというプロジェクトです。私たちそれを伝える被爆者(二世も)は、実相をどう伝えるか、どうしたら心に届くか、今回の経験のなかで模索しました。特に「ヒバクシャ・ストーリーズ」は一番感受性が強く、知的好奇心も旺盛な16歳~18歳の高校生が対象です。単に伝えるだけではなく、自信の骨格を形成する何かをつかんでほしいと心がけました。
また、節子さんも山下さんも心に訴える暖かく、そして示唆に富んだ力強い話で、ご一緒させていただいて、とても勉強になりました。
今回全体で約2500人の高校生に話したそうです。NYの志ある先生達の努力とキャスリンさんたちの想いが、種となって、実を結ぶきっかけになれたら、本当にすばらしいことだと思いました。

これまでの関連ブログ記事:
ニューヨークで『ヒバクシャ・ストーリーズ』始まりました!(2011-12-08)
http://ameblo.jp/hibakushaglobal/entry-11101087677.html

ニューヨークのメディアでも「ヒバクシャ・ストーリーズ」(2011-12-15)
http://ameblo.jp/hibakushaglobal/entry-11107474633.html

(渡辺里香)

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