12月8(月)-9日(火)、オーストリアのウィーンで核兵器の非人道性に関する会議が開かれました。
158ヶ国、国連、国際赤十字、世界中のNGOの参加を得て、無事に閉幕しました。
今回の会議では、日本の原爆被害者とオーストラリア、カザフスタン、マーシャル諸島とアメリカからの核実験被害者が被害や経験を話す機会がありました。
この原爆被爆者として、おりづる被爆者のサーロー・節子さんが発言されました。前回のメキシコ会議に引き続き、ご自分の経験を力強いスピーチ力と共に語った節子さんの存在感は今回も大きく、各国代表やNGOに大きな影響があったようです。
メディアでも以下のように報道されています。
■(核といのちを考える)米英、初参加し開幕 ウィーン核国際会議(朝日新聞)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11496983.html?_requesturl=articles%2FDA3S11496983.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11496983
■被爆者「核兵器と共存不可能」=米英初参加の国際会議-ウィーン(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201412/2014120800876&g=pol
■ヒロシマ平和メディアセンター
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=38760
■Hibakusha shares horrific account from Hiroshima at Vienna conference on nuclear weapons
http://ajw.asahi.com/article/behind_news/social_affairs/AJ201412090057
■Hiroshima-Überlebende: “Ich höre ihre Schreie noch”
http://diepresse.com/home/zeitgeschichte/4613655/HiroshimaUeberlebende_Ich-hore-ihre-Schreie-noch
そして、この会議の最後には、44カ国が核兵器の禁止を求める表明した後、オーストリアが「核兵器の禁止と廃絶の法律的な穴を埋める」努力にコミットした『オーストリアの誓い』(原文 英語)を発表し、「この目標を達成するために全てのステイクホルダー(関係団体・諸国)と協力する」と誓いました。
おりづるプロジェクトのディレクターでもある川崎が運営委員を務める、ピースボートのパートナー団体であるICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)が以下のリリースを出しています。(原文は英語、以下の日本語はピースボートの仮訳)
http://www.icanw.org/campaign-news/austria-pledges-to-work-for-a-ban-on-nuclear-weapons/?utm_source=ICAN+Campaigners&utm_campaign=b7732282ab-Campaigners_List_5_14_2013&utm_medium=email&utm_term=0_cd5f0de77f-b7732282ab-53652585
次回の会議、もしくは2015年に向けて、大きな一歩になった今回の会議のまとめ、是非ご一読ください。
ピースボート 渡辺里香
—–以下、日本語仮訳———
オーストリア、核兵器禁止のために取り組むと誓う
2014年12月9日
オーストリア、核兵器禁止のために取り組むと誓う
核兵器の非人道性に関するイニシアティブ、2015年に条約のプロセスを開始すべき
ウィーンで開かれた核兵器の非人道性に関する会議で44カ国が核兵器の禁止を求める表明した後、オーストリアが「核兵器の禁止と廃絶の法律的な穴を埋める」努力にコミットした『オーストリアの誓い』を発表し、「この目標を達成するために全てのステイクホルダー(関係団体・諸国)と協力する」と誓いました。
「核軍縮にコミットしている全ての国が、核兵器を禁止する条約のためのオーストリアの誓いに参加すべきだ」と核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)事務局長のベアトリス・フィン氏は言います。
「来年はヒロシマとナガサキから70年になります。核兵器を禁止する条約の交渉を始めるには相応しい時期だ」ともフィン氏は補足しています。
このウィーン会議にて核兵器禁止条約に賛同を表明した国家は:オーストリア、バングラデシュ、ブラジル、ブルンジ、チャド、コロンビア、コンゴ、コスタリカ、キューバ、エクアドル、エジプト、エルサルバドル、ガーナ、グアテマラ、ギニアビサウ、バチカン、インドネシア、ジャマイカ、ヨルダン、ケニア、リビア、マラウイ、マレーシア、マリ、メキシコ、モンゴル、ニカラグア、フィリピン、カタール、セントビンセント・グレナディーン、サモア、セネガル、南アフリカ、スイス、タイ、東ティモール、トーゴ、トリニダード・トバゴ、ウガンダ、ウルグアイ、ベネズエラ、イエメン、ザンビア、ジンバブエ。
この表明は、意図的及び偶発的に核兵器が使用された場合の結果を検証するためにウィーンで開かれた2日間の国際会議でされました。
日本の被爆者、そしてオーストラリア、カザフスタン、マーシャル諸島とアメリカでの核実験の被害者が核兵器の悲惨な影響について力強い証言をされました。彼らによる証拠は、他のデータや研究結果を発表するプレゼンテーションを補完する形となりましたた。
「あらゆる核兵器の使用は破滅的、長期に渡り、そして許容できない結果になります。各国の政府がこの証拠とこの人間の物語を聞いたら行動をしないではいられないはず」とNGOピースボートの川崎哲氏は言っています。「唯一の解決は、核兵器の禁止と廃絶。そして、それを今すぐ始めなければいけない」とも。
数十年間、核兵器を巡る議論は16,000発以上の核兵器を貯蔵し維持し続けている数少ない核保有国に支配されてきました。核兵器の非人道性に関するイニシアティブはこの議論に根本的な変化をもたらし、核兵器の影響に関する議論を、核を保有しない国々がリードしています。
他の大量破壊兵器(科学や生物兵器)と異なり、核兵器はまだ国際的・法的な条約で禁止されていません。 国際社会がこの問題に対処する決意をしていることがウィーンで
の議論で明らかにされました。 ローマ法王も会議へのメッセージで核兵器を「きっぱりと廃絶する」ように呼びかけました。
前回の核兵器の非人道性に関する会議開催国であるメキシコが外交プロセスの開始を求め、南アフリカが今後の同会議開催を検討していると発表しました。
「ウィーンにいる誰もが核兵器をめぐって新しいことが起きていると実感しています。今まで核兵器の非人道的な影響についての会議が3回開催され、そして今回のオーストリアの誓いで、外交プロセス開始のために必要なものは全部そろっているのです」とイギリスのNGO「Article 36」のトーマス・ナッシュ氏が発言しています。
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