チビタベキアからピレウスまでの区間、ピースボートの船上にはエジプト、イラン、イスラエル、パレスチナを含む中東地域から10名を超える市民社会リーダーが集まりました。市民として中東の非核・非大量破壊兵器地帯設立を応援するためのピースボート「ホライズン2012」プロジェクトの第2回目会議(中東会議)に参加するためです。
おりづるプロジェクトとも非常に関わりの深いこの会議の参加者と親交を深めるため、中東会議参加者の滞在期間、船内では証言会と交流ディナーが行われました。
3月25日の証言会では中村博さんが被爆者を代表して証言。中村さんが語る広島の原爆投下当日の様子や、その後数日に渡る死体の運搬の話に中東会議の方々は熱心に耳を傾けていました。核兵器の恐ろしさを直に体験した人の話を聞くことで、みなさん中東の非核化運動への決意を新たにしたようでした。質疑応答ではレバノン、イスラエル、スリランカの参加者から原爆投下直後の様子の詳細やアメリカに対する感情について質問が出され、活発な意見交換がなされました。
翌日26日には各々がじっくりと中東会議の参加者と意見交換できるよう交流ディナーが開催されました。食事をしながら被爆の話だけでなく核兵器や原発についてどう考えているのかをじっくり話すことで、同じ市民としてどのような活動をしていけるのかを考えるきっかけになりました。また、中東会議の参加者の出身国が多岐に渡っていたため、普段あまり知ることのない中東の文化や宗教について知識を深めるいい機会にもなったようです。
中東会議のみなさんは2日間という短かい滞在期間でしたが、ピレウスでの下船の際にはお土産の交換や写真撮影など別れを惜しむ様子が見られました。今回中東と日本とでそれぞれ核廃絶運動に取り組む私たちが国境のない海の上で交流できたことの意義は大きいはずです。
(畠山澄子)
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