3.核廃絶へのいろいろな動き

大学生、被爆者の経験と家族の状況を聞く

11月末、東京の慶応義塾大学の学生が第一回おりづるプロジェクトに参加してくださった浅野雅彦さんから被爆証言を聞く機会がありました。



被爆体験を話す浅野さんと、真剣に聞く学生

これは、11月末の学園祭で「戦後70年に向けた核兵器廃絶への挑戦」という展示企画を催すためでした。当日は、400名を上回る来場者にお越しいただき大盛況のうちに幕を閉じたとのことです。

浅野さんの被爆体験はインタビューをもとに一枚のパネルにまとめられ、来場者は一様に悲嘆の息を漏らすばかり。来場者には感想を求めてメッセージとして葉っぱの形をした画用紙に記入していただきました。平和への決意と核廃絶の意識を保つ約束を記す方が多かったそうです。

学生たちは、展示の中で、核兵器廃絶のための3つの主張をしています。

1. 核兵器の使用禁止また違法化に伴う核兵器自体の価値の低減

2. 政治が監視され、活発な NGO 活動が行われる民主的社会

3. 「人類益への忠誠」を育む世界的規模の教育の場

そして結論として、「人類は、自らを絶滅させてあまりある大量殺戮兵器を作り続けながら、広島・長崎以降約70 年にわたり、幸運にもそのボタンを押すことなくきた。しかし、その幸運がいつまでも続くとは限らない。今こそ、核兵器廃絶の潮流を一段と強める必要がある。そのためには、「平和」に対するイメージの転換が求められる。「平和」とは単に戦争がない状態ではない。

全ての人々が尊厳を脅かされることなく、それぞれの可能性を最大に発揮し、幸福な生活を築くことのできる社会こそが、真の「平和」である。本展示をご覧になった一人でも多くの人に、核兵器の問題が自身にとって決して遠くない問題であるという認識を持って頂ければ幸いである。」と結んでいます。

今回の展示を通じて「少しでも多くの人に、とりわけ若い世代に、核廃絶に向けた意識づけができたのではないか」と主催者の学生は話していました。

心強い若者の活躍に嬉しくなる報告でした。

文:ピースボート 渡辺里香
写真、3つの主張: 慶應義塾大学 学生有志

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