1.ヒバクシャ証言の航海

情熱と音楽に酔いしれて in カラカス&ラグアイラ

2015年7月25日、第8回おりづるプロジェクトは105日間の証言の航海を終えて、無事に帰国しました。遅くなってしまいましたが、クルーズ中の寄港地プログラム報告をさせていただきます。

記録ドキュメンタリー映像:『I Was Her Age /過去と今の対話』

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2015年6月22日、23日と、情熱の国ベネズエラにて証言会を行いました。

1日目は、三宅信雄さんが政府(外務省)関係者向けに、

2日目は、伊藤正雄さんがエル・システマの子供たちへ向けて証言しました。

1日目は、バスで首都のカラカスへ向かい「兵舎の丘」に向かいました。

この「兵舎の丘」とは、故チャベス大統領の霊廊です。今まで排他されてきた人々にスポットをあて、識字率を上げ、ラ米の連帯を強め、愛されるキャラクターで多くの国民、海外から死を惜しまれたチャべス大統領が眠っています。

1年前も私はこの場所を訪れており、前回(第7回)のおりづるプロジェクトのメンバーが故チャベス大統領の霊廊に千羽鶴を届けているところを目の前で見たので懐かしく思いました。

 霊廟に届けた千羽鶴

私たち、第8回証言の航海のおりづるプロジェクトメンバーも船内でたくさんの方々の協力の元できた千羽鶴を届けることが出来てとても嬉しく思います。

外務省関係者向けに行われた証言会では、三宅信雄さんの力強い証言がスペイン語に訳され、会場の雰囲気はぎゅっと一つにまとまりました。その後に行われたピースセレモニーでは、ベネズエラのダンスチームや子供ダンスチーム、バンドなどが「平和」をテーマにパフォーマンスを行いました。

 ベネズエラのダンス(上)、和太鼓での参加(下)

こちらにはピースボートの乗客も、和太鼓や南中ソーランで多く参加してくれたので、アットホームな雰囲気の中で、いつもとは異なった形で「平和」について考えるきっかけができたと思います。

2日目は、バルガス州政府が原爆投下70周年に平和を祈念して作成された壁画の除幕式に参加しました。州知事と外務副大臣から非核地帯の重要性が強調され、「被爆証言こそが核保有国を核廃絶に動かす原動力になるはず」との力強い発言がありました。新しく人々にお目見えする壁画の前で、廣中正樹さんがスピーチと除幕をしました。

 町の賑やかな道路の脇にかかれた壁画の前で

その後は、音楽により社会変革をもたらしている「エル・システマ」の本部を訪ね、貧困と暴力の道ではなく音楽を学ぶという道を選んだ140名前後の若者たちによるオーケストラ演奏を聞き、感銘を受けました。

素晴らしいオーケストラの演奏

それに返す形で、ウクレレ演奏とともに「ふるさと」を歌って始めた証言会では、エル・システマの若者との心の通い合いを生みました。

この若者たちは、中学生から高校生くらいの年ごろだったので、最初から最後まで証言会の集中力が続くか内心心配でしたが、最初に流した「はだしのゲン」の映像をスペイン語で見てから彼らの目つきに真剣さが増して、より証言を聞いてくれたと思います。

対象によって、話の入り方を変えることによって人々の興味が引きつけられることを改めて感じました。

そして、情熱の国ベネズエラらしく、エネルギーとパッションに溢れた反応を返してくれました。こちらとしても、
伝えたいことが伝わったと思います。

情熱にみちた聞き手であった、エル・システマの若者たち

この日、残念ながら大統領との面会は叶いませんでしたが、外務大臣と文部大臣との面会が叶い、我らの長老・三宅さんが挨拶を行いました。

 外務大臣(上の2枚)と文部大臣(下の1枚)

「これまでの人生、悲しみと痛み、憎しみの70年だったのではないかと察します。そして人生をかけて二度と同じことがおこらないように尽力されてきたのでしょう。これからはベネズエラを頼ってください。全力で支えますから」と2人の大臣が言ってくださり、被爆者の方にとっても、私たちにとっても、とても勇気づけられる言葉だったと思います。

国を挙げて、ピースボートを含め、おりづるプロジェクトも歓迎して下さり、そのエネルギーを2日間でたくさんもらえたと思います。

ベネズエラに負けないように、私たちは今後ともおりづるプロジェクトの活動に誠意をこめて行いたいと思います。

(文・おりづるユース 鈴木慧南、岩本真奈未 スタッフ 渡辺里香 / 写真・鈴木慧南、エマ・バゴット)

*ラテンアメリカ(ベネズエラ、パナマ、グアテマラ)のプログラムの映像はこちら

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