1.ヒバクシャ証言の航海

核を保有する原発大国@フランス:ル・アーブル

みなさんこんにちは。
ピースボートインターンの鈴木慧南です。

5月21日(日)にフランスのル・アーブルで証言会を行ったので、その様子をお伝えします。

フランスは核兵器の保有がNPT(核兵器不拡散条約)によって認められている国であり、核兵器を約250発所有しています。

また、総発電量の78%を原子力発電に依存している、原発大国です。(2016年時点。世界一の依存度)
化石燃料に恵まれないフランスでは、1970年代に起きた石油ショックを機に、原発導入を決定しました。
それまで暮らしに適したエネルギーを使用していましたが、原発が導入されてからそのエネルギーに頼るようになり、冬の時期には多くの家庭でヒーターを使用し、その消費電力はかなりの割合を占めています。

58基の原子炉があり、最近では、定期検査や、強度不足の問題で20基ほどが停止しているそうです。そうした停止中の原発も含め、日本製の欠陥部品の影響で12基の原発が緊急点検のために停止し、そのせいで電力が足りなくなり、他の国から電気を高額で輸入したようです。
今回は一般の参加者や、水先案内人として乗船している鎌田慧さんとともにフランスの原発を巡り、地元の反原発活動をしている方々と交流しました。

最初に、港から1時間半かけてパリュエル原発の見学にいきました。
パリュエル原発のある地域はとてものどかで緑の美しい町でした。


パリュエル原発周辺の景色

海沿いに位置する原発は建屋がドーム型になっており、細長い煙突があるのが特徴で、もっと内陸にあるものは建屋自体が細長い形になっています。
バスを降りてから原発の近くまで歩いていきましたが、警備員などは特におらず、わりと近い場所まで簡単に行くことができました。

フランスではパリのテロ以来、6月に行われる国民議会選挙まで警戒態勢をとっているにも関わらず、原発の警備があまりにも不十分すぎ、ガイドの方は「いつでもテロリストが爆弾をしかけることができる」と話していたのが印象的でした。
原発にはいくつもの送電線がついていますが、パリュエル原発のような地方から中心部まで送電する場合は、かなりの電力が送電している最中に失われているようで、その無駄についても追及していかなければいけないと話していました。


パリュエル原発

見学後は地元のレストランへ赴き、ノルマンディー地方の名物料理をいただきました。
広い土地があるノルマンディーでは牛乳とクリームが有名です。

その後、同じ場所にて広島で被爆された田中稔子さんが証言を行いました。
原発の見学をした後、原発大国で話される被爆証言にフランスの方々も真剣に証言を聞いていました。
稔子さんの証言後には私から、なぜ日本が原発を導入することになったのかを簡単に説明しました。

フランスの方に現在の日本政府の姿勢を問われ、正直に答えると、フランスも同じような立場だから恥ずかしいと言っており、なかなか政府を変えることのできないジレンマなどを共有しました。


稔子さんの証言の様子

次にパンリ原発に向かう途中、ソーラーファームを車窓観光しました。
長年原発のエネルギーに頼ってきた影響で、この地域では再生可能エネルギーの発展が他の地域に比べて遅れているようですが、近年注目が高まっています。

そしてパンリ原発を車窓観光しました。
パンリ原発はサン・マルタンビーチに近い場所にある原発で、原発の汚染水をそのビーチに流しているのですが、政府のプロパガンダにより『原発はきれいで安全なもの』と信じている住民はその海で海水浴をしたり魚を釣ったりしています。


パンリ原発

丘の上から眺めるサン・マルタンビーチは遠浅の海で本当にきれいでした。
こんなにきれいならば、泳ぎたくなる気持ちもわかります。
ですがこの海に触れている限り、低線量で被曝し続け、放射線は体内に蓄積されていくことでしょう。
目に見ることのできない放射線の怖さを改めて感じました。
反原発の活動をしている人々はこの原発の停止を求めています。

サン・マルタンビーチ

日本に住んでいても原発を見学する機会は滅多にないので、今後のエネルギー問題を考えていく中で意味のある経験になりました。
同時に、民族間の溝が一向に解決しない現在において原発がある事自体が、その国の脅威になりかねないことを感じています。
環境は勿論、人間にも優しいエネルギーを追及し、原発の即時廃止も強く訴えていきたいと思います。

サン・マルタンビーチでの集合写真

ピースボートインターン 鈴木慧南

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