2008年から始まったこのおりづるプロジェクトでは、これまでに広島・長崎の170名以上の被爆者が世界を周りその体験を証言し、「核なき世界」へのアピールを行ってきました。
今年7月7日に、史上初めて核兵器を非人道兵器として全面禁止する「核兵器禁止条約」が国連で成立しました。ピースボートは核兵器廃絶国際キャンペーン (ICAN)の一員としてこの条約成立に尽力してきましたが、これからは、世界中の国々に同条約への一刻も早い署名と批准を呼びかけていきます。
そこで、今年8月に出航した第95回ピースボート「地球一周の船旅」の欧州、米国、ラテンアメリカ諸国区間(2017年10月3日〜30日)に、長崎の被爆者木村徳子(きむら・とくこ)さんと、被爆三世 のユース特使・浦田沙緒音(うらた・しおん)さんが乗船します。
寄港する国々では:
核兵器禁止条約への参加を呼びかけると共に、核保有国に対しては核兵器の廃棄を求めていきます。また、10月16日に訪れるニューヨークで は、国連総会第一委員会が開かれている国連本部内でイベントを開催し、被爆証言を行って核兵器禁止条約への署名促進を訴える予定です。
船内でも:
被爆者の平均年齢は81歳を超え、原爆や戦争の認識はどんどん薄れています。第二次世界大戦の苦難を知る人がいなくなる中で、戦争や軍事化を肯定する危うい動きも見られます。ピースボートには多くの日本人や東アジアの人々が乗船しており、船内においても証言活動や戦争と平和に関する議論を進めていきます。
また船内では、被爆体験の継承と核なき世界に向けて活動する「おりづるピースガイド」を育成するプロジェクトも展開します。
<参考資料>
今回の参加者の略歴と活動の概要:
日本語:
http://peaceboat.org/wordpress/wp-content/uploads/2017/09/hibakusha_95_Project_Overview_JPN.pdf
英語:
http://peaceboat.org/wordpress/wp-content/uploads/2017/09/hibakusha_95_Project_Overview_ENG.pdf
文・写真:ピースボート渡辺里香
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