3.核廃絶へのいろいろな動き

世界へライブ配信 ~2021年8月広島と長崎より

2021年8月の広島、長崎は、原爆が投下されてから76年を迎えました。そして、長年被爆者が心待ちにしていた「核兵器禁止条約」が2021年1月に発効してから初めて迎える8月でもありました。ピースボートの川崎哲は、ピースボートとICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)を代表して広島、長崎の両方の平和式典に参列しました。

また、世界的な新型コロナウィルス感染拡大で、日本全国また世界中から多くの人々が直接被爆地を訪れることができません。そんな中、おりづるプロジェクトはICANと協力して広島と長崎からSNS(インスタグラム)で生配信をしました。その日の広島と長崎の被爆者や人々の様子、街の雰囲気、原爆投下の時間に行われる黙とうの様子などを世界に伝えました。

 

8月6日朝 広島より

ピースボートスタッフの畠山澄子がガイドとなり、午前8:05から8:30まで、広島の原爆ドームの前から第一回目の配信を行いました。

配信前の念入りな確認

原爆ドーム前から配信が始まりました

ICANのインスタグラムから8月6日の朝の様子、青い空と湿気の多い暑さ、雰囲気(セミの声や人々の声も含めて)、被爆者の感想、松井市長による平和宣言、当日人々が水を求めてきた川、原爆投下の目標となった相生橋を紹介しました。その間には、8:15からの1分間の黙とうもありました。

毎年この式典で広島市長がどのような宣言をするのかが注目されますが、今年は特に核兵器禁止条約への参加の促進、若者の役割に期待することが述べられたことも紹介しました。そして、92回クルーズ(第9回おりづるプロジェクト)に参加してくださった東野真理子さんが原爆ドームの前で昨年末に亡くなったお母様のこと、どのような気持ちでこの日を迎えたかを紹介しました。お母様は核兵器禁止条約が発効するところを見届けることはできませんでしたが、その存在は被爆者、また核実験被害者などのグローバル被爆者みなの願いが実現したものと考えていた、と話してくださいました。

お母様のお話をする東野真里子さん

配信メンバーと東野真里子さん

 

ガイドの畠山澄子は最後にこのように生配信を締めくくりました。
「本日の配信で、何十万人もの無辜の市民がここ広島で被爆し、今に至るまで被爆の影響に苦しんでいるということをみなさんが考える機会となったことを心から願います。」と。

最後のメッセージを語る畠山澄子

オンライン配信ということで、うだるような暑さやにおいは届けられなかったかもしれません。しかし、この日の青い空、セミの声、人々の様子は最大限届けられたのではないかと思います。

ICANのインスタグラムから、ご覧になれます。
https://www.instagram.com/p/CSOTWuRqrXn/

 

8月6日夜 広島より

6日の夜、ピースボートと一般社団法人HOPEプロジェクトの共催で「奏で継ぐヒロシマ~被爆を生き抜いた2つの楽器」をライブ配信しました。これは、被爆を生き抜いた2つの楽器「明子さんのピアノ」と「パルチコフさんのバイオリン」についてのお話と、「核なき世界」を願いながら、広島にゆかりある2名の演奏家による美しい共演でした。

「奏で継ぐヒロシマ~被爆を生き抜いた2つの楽器」

この夜のインスタグラム生配信は、この被爆ピアノとバイオリンの演奏を世界に届けました。今回のガイドは広島にあるNPO「ピースカルチャービレッジ」のアメリカ出身・メアリー・ポピオさん。広島で平和公園のガイドをしているメアリーさんは、自分の体験を含めながら心を込めて話してくれました。8月6日の広島の夜景や雰囲気を伝えつつ、原爆の子の像の前で被爆から10年後に放射線の影響で白血病を患って12歳で亡くなった佐々木禎子さんのことも紹介しました。そして、被爆した明子さんのピアノとパルチコフさんのバイオリンの説明をしながら平和公園を少し見て、コンサートの行われているレストハウスへ向かいました。

原爆の子の像より

ピアノとバイオリンのコンサートを配信する様子

文化や言葉を超えて響く音楽が、多くの人に届きました。美しくも物悲しい音色に、配信中に「心に響く演奏!」などのコメントが世界の視聴者から寄せられました。

配信メンバー

こちらもお見逃しの方は、こちらから。
https://www.instagram.com/p/CSPEyCjKODx/

そして、この世界に配信する様子が、NHKでも放送されました。

8月9日朝 長崎より

8月9日の10時50分から11時15分まで、爆心地から500mにあり甚大な被害を受けた城山小学校からお伝えしました。 今回のガイドはピースボートスタッフの松村真澄と渡辺里香。

渡辺(左)と松村(右)が、英語とスペイン語で紹介しました

スマートフォン一つで世界に発信する様子

今回は、同時に行われていた平和祈念式典のことや田上長崎市長による平和宣言に触れるよりも、
この小学校やその周りで約9割の生徒や先生が亡くなったこと、
当時小学校としての機能はほとんどなく、三菱兵器製作所 となっていたこと、
子どもや生徒を校庭で荼毘に付した悲しみ、
壊滅的な被害を受けた校舎の一部を残して平和祈念館にしていること、
また同じ敷地に現在も城山小学校が存在すること、
生き残った先生方が必死に基礎を作り今も続く平和教育、
イタリアの学校との交流などを中心に伝えました。

丘の上の城山小学校

校門を入るとすぐに千羽鶴や記念碑があります

祈念館の中も丁寧に説明しました

長崎の被爆遺構の中でもあまり知られていないこの学校/祈念館を英語とスペイン語で紹介することで、核兵器の人間に与えうる被害を少しでも伝えたいと思いました。しかも、学校という世界の人々が共通して身近に感じる場所から、先生と生徒/親と子どもという誰もが想像できる関係の中に起こった事実を長崎から伝えたいと思いました。

最後は、被爆当時校舎にいて亡くなられた林嘉代子さんのお母さんが寄贈された桜の木『嘉代子桜』 の前で配信を終わりました。 春になると、毎年綺麗な桜が咲き乱れます。そして今でもこの小学校に通う生徒たちは登下校の際に記念碑に礼をしているということ、そんな希望を長崎から世界に届けられたらと思いました。

かよこ桜の前で。この学校で案内をしている三田村シズ子さんと

配信メンバー

 

長崎からの生配信を見逃した方は、こちらから:
https://www.instagram.com/tv/CSWJ_gQqzxp/?utm_medium=copy_link

長崎 城山小学校 平和祈念館について
http://www7b.biglobe.ne.jp/~fukuokahatu/shiroyama_elementary.html

今回、たくさんの方が広島と長崎からの配信を手伝ってくれました。広島のPCV(ピースカルチャービレッジ)の川口悠介(かわぐちゆうすけ)さんとマーク・マックフィリップスさん。長崎大学の筬島葵(おさじまあおい)さん、オンライン証言会の運営ボランティアの岩田壮(いわたたけし)さんと高尾桃子(たかおももこ)さん。みなさんのお陰で実現でき、世界の多くの方々とつながることができました。出演してくださった皆様、支えてくださった皆様、本当にありがとうございました。

ピースボートおりづるプロジェクトは、これからも様々な形で世界の人々とつながり、被爆者や被爆地の声や様子を伝え続けて行きます。

オンライン証言会も含めて、これからもよろしお願いします。

英語の報告はこちら

文:ピースボート 渡辺里香

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