おりづるプロジェクトでは、ヒロシマナガサキだけではなく、世界中のヒバクシャと連帯し 核兵器廃絶を訴えています。
そこで、NO NUKES -ビキニの海は忘れない- 船内にて写真展を実施しました!
1954年3月1日、米国はビキニ環礁での水爆実験(ブラボー実験)をおこないました。
キャッスル作戦と名付けられた一連の核実験はその後も続けられ、マーシャル諸島にあるビキニ環礁やエニウェトク環礁、周辺の島民や海域にいた数多くの漁船が放射性降下物や放射能汚染された魚などの摂取により被害を受けました。
静岡県焼津港に帰港した「第五福竜丸」が広く知られていますが、影響を受けた漁船はその一隻だけではありません。しかし、その事実は機密文書となり長い間隠されてきたのです。
情報公開法により、操業の中心には高知県の漁船員たちも被ばくしていた事実を知った高校生たち。 その後、自主サークルをつくり地域に埋もれた被ばくの歴史を知るため追跡調査を開始しました。 「NO NUKES」は、追跡調査によってあきらかになった漁船乗組員として被ばくした当事者の証言内容と、本人やその遺族の肖像画をまとめた写真集です。
今回、その写真パネルを過去のクルーズに水先案内人として乗船頂いた岡村啓佐(けいすけ)さんにお借りし、船内で写真展を実施しました。
写真展を観た人からは 「第五福竜丸以外にも、こんなにたくさんの漁船が被ばくしていたことを初めて知った」 「長崎で被爆した人が、核実験によって再び被ばくしているのは衝撃だった」 といった声が寄せられました。
地球のどこかで核兵器が使用されるということはけっして他人事ではありません。
目に見えない、匂いもしない放射能はゆっくりと、だけど着実に日々の平和をうばっていくのです。
かつて核実験の舞台となった太平洋を航海しながら、改めてそんなことを思うのでした。
文:橋本舞 (編集:渡辺里香)