1986年4月26日、歴史上でも史上最悪とされるチョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故が発生。
あの日から38年後の2024年4月26日、Voyage117船内では、「平和な日常が一瞬にして奪われた8月9日ナガサキ原爆の日、4月26日チョルノービリ原発事故の日を忘れたくないという想いを込めて「『あの日』への想いを語る」と題し、75分の企画を実施しました。
前半では、4月13日の横浜出航以降、船内の公共スペースにておりづるプロジェクトメンバーの小川忠義さんが持参した写真の展示会を開催していたこと、写真展は2つのテーマがあり、小川さんが始めた「ナガサキ原爆の日、8月9日11時2分にシャッターを切る忘れないプロジェクト」と、2012年に実際に訪れたチョルノービリ原発の写真だったこと、を紹介。
そして、チョルノービリ原発には今回乗船している田中稔子さんも一緒に訪れていたため、写真とともに当時のエピソードを振り返りました。
後半では、今クルーズで実施されているもう一つのプロジェクト「ウクライナ・ユース・アンバサダー」のメンバーに話し手を変更し、ウクライナではチェルノービリ原発事故のことや、ヨーロッパ最大の原発「ザポリージャ原発」についてどのように学ぶのか、どんなふうに認識されているのかを説明しました。
そして最後に、田中稔子さんとウクライナ・ユース・アンバサダーとの対談、という3部構成の企画となりました。
田中稔子さんからウクライナユースへ「ウクライナは1994年にすべての核兵器を放棄しましたが、もし核兵器を持っていれば今回のロシアからの侵攻はなかったと思いますか」という投げかけに対して「とても難しい問題だけど、今は、持っていればよかったのではないかと思うこともある」と返答がありました。
それに対し稔子さんは「まだまだ核兵器による被害の実相が伝わっていないので伝えていかなければいけない。そして核兵器があるからこそ、脅す、威嚇するということが発生するので、早く核兵器を無くさなければいけない」と、核廃絶への想いを強めたことを共有してくれました。
ヒバクシャの想いを伝えるおりづるプロジェクトと、現在進行形で戦争をしている国の若者が乗船するウクライナユースアンバサダープロジェクト。
この2つのプロジェクトを実施しているこのクルーズだからこそ伝えられることはたくさんある、と実感する企画となりました。
(文:橋本舞)