つづいて、3)8月26日~31日アウシュビッツ訪問!(2)、です。
アウシュビッツ1日目は、中谷剛さんの素晴らしいガイドのもとアウシュビッツ強制収容所を見学した後、生還者と意見交換・証言会を行ったことは以前報告した通りです。
▼8月26日~31日アウシュビッツ訪問!(1)
2日目は、ビルケナウ強制収容所を見学し、地元学生たちと交流会を行いました。
ビルケナウ強制収容所は、アウシュビッツ収容所よりもより広大な土地に作られており、ピーク時には9万人を超える人びとが収容されていたそうです。1日目に引き続き、中谷さんにガイドしていただきながら、3時間かけてゆっくりと見学しました。
午後は、ぜひ被爆者と交流したい!と会いに来てくれた地元の学生たちと意見交換を行いました。まずは原爆の被害について知ってもらうために、おりづるユース特使の瀬戸麻由さんより原爆についての解説。そして、被爆者の八幡照子さんより証言をして頂きました。
その後、地元学生からは自分たちが住む、ここ「オシフィエンチム」の街についての紹介スピーチをしてくれました。オシフィエンチムとは、アウシュビッツ強制収容所が存在するこの街の名前を指します。ナチスによる占領の中で、ポーランド語の使用が禁止され、ドイツ語の「アウシュビッツ」という名前の方が浸透してしまったそうです。
「自分たちの生まれ故郷であるこの街には、豊かな自然があり、きれいな教会があります。映画館もあるしスケートリンクだってあります。どうか、私たちの愛するこの街を、「アウシュビッツ」の街というイメージだけで持ち帰らないでください」
そう静かに訴える学生たちの言葉に、おりづるのメンバーは思わず考え込んでしまいました。歴史の継承とはどういうことなのか。ただ悲しい事実だけを語り継ぐのではなく、時間の流れとともに変わりゆく土地の景観や人びとの生活、その中でも変わらず受け継がれる平和へのメッセージを、どのように後世に伝えていくことが出来るのか。あらためて考えさせられました。
「継承」がテーマの今回の旅。これからも、どのような継承のカタチが存在しうるのか、その在り方を世界に学び、実践していきたいと強く感じた日となりました。
ピースボート 古賀早織
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