1.ヒバクシャ証言の航海

8月5日 第7回「証言の航海」報告会 in広島

8月5日午後、6月末に帰航した第7回おりづるプロジェクトについて報告する、「ピースボート地球一周 報告会~被爆者とユースが共につくる未来~」を開催しました。

会場に集まった参加者の中には、過去に同プロジェクトに参加した被爆者の方や第7回でおりづるパートナー(一般参加者の中でおりづる的なこと、つまり原爆や被爆、核兵器や継承についてに興味を持って自主的にお手伝いしてくださる方々)としてプロジェクトに関わった方はもちろん、広島や東京の学生さんも。
様々な世代が集まって、メンバーの報告に耳を傾けました。

スタッフ古賀からのピースボートやおりづるプロジェクトの概要説明のあとは、司会を「おりづるユース特使」として乗船した福岡奈織(ふくおかなお)さんにバトンタッチ。福岡さんのほか、参加被爆者の李鐘根さん、坂田尚也さん、坂下紀子さん、中村元子も登壇し、地球一周の様子を報告しました。

寄港地での証言会の準備について報告する際には、会場のみなさんにも証言会準備を体験してもらうワークショップを実施。船上で毎日行われていたミーティングでは、各寄港地の抱える問題を学び、証言会で何を伝えるのかを話し合ってきました。
「シンガポールで証言するとしたら、どんな歴史的背景をふまえ、何を伝えたいと考えますか?」という福岡さんの問いかけに、グループに分かれて話し合います。それぞれ違う意見や視点を持ったメンバーが集まって、寄港地ごとにメッセージをまとめていく作業の難しさが伝わったのではないでしょうか。


各グループ、それぞれの議論が白熱しています。

その後、心に残った寄港地について、李さんと中村さんが報告。
李さんはポーランドのアウシュビッツへの訪問が一生忘れられない経験になったと述べ、ベネズエラのマドゥーロ大統領に面会した時の丁寧で気さくな対応が印象的だったことをお話されました。中村さんは、タヒチのパペーテでフランスの核実験被害者との出会いが胸にささったこと、交流では温かい歓迎を受けたことをお話されました。

船内での活動を報告する際には、会場にかけつけたおりづるパートナーのみなさんからの発言も。「おりづるユース特使」の浜田あゆみさんが企画した演劇に参加した方は、「関心のない若者に興味をもってもらうためには、同世代の自分たちで何か表現することが必要なのではとみんなで考えた。興味を持ってもらうきっかけになったことが感じられ、やって良かったと思った」と報告してくれました。

その後、福岡さんが報告してくれたのは、船内で行われた「孫になろうプロジェクト」。おりづるパートナーのみなさんがそれまで核問題に関わっていなかった若者をそれぞれ巻き込み、「被爆証言を聴き、自分たちなりの形で表現する」というお題に挑戦するプロジェクトです。
実際に37名の若者が参加被爆者のみなさんの「孫」になり、写真展やワークショップ、スピーチ、絵画、ファッションショーなど、各チームごとに多様な表現が行われました。

その中でも坂下さんの証言を聴き、そのメッセージを歌にした3人の「お孫さん」たちが、実際に作詞作曲した「カンナの花」という歌を披露してくれました。


原爆を経験した母親への想いを歌った歌に、会場には涙する人もいました。

最後に坂田さんが報告をまとめてくださいました。
「人間はもともとの社会での地位や役割に関係なく、極限状態になったときに恐ろしいことをしてしまう。この社会の中で戦争を起こさないことが第一。若い人はSNSやメールなどを活用して、伝える活動を続けていってほしい。」

航海の報告会の後、ピースボートの共同代表、川崎から現在の世界の核情勢について解説があり、スタッフ渡辺からは、来年の第8回「証言の航海」の紹介がありました。
(来年4月出航、第8回「証言の航海」の詳細はコチラ!)

報告会終了後は、恒例のおりづる交流会!
今回はおりづる被爆者OB/OGだけでなく、83回クルーズ参加者をはじめ多くの若いみなさんも参加してくださいました。
楽しい時間はあっという間でしたが、最後はみんな笑顔で記念写真。

回を重ねるごとにますます表現も参加メンバーも多様になっていくおりづるプロジェクト。今後の可能性を、強く感じる一日となりました。

(インターン 瀬戸麻由)

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