11月5日は、ラグアイラ市庁舎にて、被爆者全員で記者会見を行った。
会場には、続々と新聞、テレビ、ラジオなどから多くのメディア関係者が到着し記者会見の前に、それぞれの被爆者がインタビューを受けた。
また、同時に、市長からのコメントもいただいた。
記者会見が始まると、一人一人の被爆者が自己紹介を兼ねて証言した。
各被爆者のその日の体験、放射線は目に見えないが何世代にもわたり身体的・社会的・心理的な傷を被爆者に残していること、二度と同じ悲劇が起こることのないための核兵器廃絶の重要性、原発は事故の可能性があるために太陽光や風力・潮力発電などに投資する重要性などについて言及した。また折り鶴の説明やトレド市長による平和市長会議への加盟への感謝の意も表された。また、南米共同体UNASURの締結条約の前文に核廃絶が盛り込まれていることも評価した。
市長からは、「平和市長会議に加盟したことで、世界平和に貢献する動機付けができた」、「戦争は何の解決にもならない」というコメントをいただいた。
質疑応答では、原爆を投下したアメリカが憎いかどうかと言う質問があった。川崎さんはアメリカが他の国の核のことを言う前にまずは自国の核を廃棄して、それから多国に同じ行動を求めれば説得力があると答えた。また、井口さんは、どの国も素晴らしい文化があるのだから多国の文化を尊重するべき、教育、文化、科学の普及が平和に繋がると言った。
その後、市庁舎近くのラグアイラ・ワークショップスクールを見学し、広島・長崎についてだけでなく第二次世界大戦についてもよく知らなかった生徒たちと交流した。被爆者がそれぞれの体験を話すと、生徒らは熱心に聞いており、その後はいくつもの質問が飛び出した。被爆者もまた、その質問に対して、熱のこもった説明を行った。
ホテルに戻ってくると、川崎さんが、政治を取り扱っている週刊誌「Temas Venezuela(ベネズエラ・テーマ)」よりインタビューを受けた。原爆に関する情報が海外で少ないことに関して聞かれ、日本がポツダム宣言で全面降伏したこともあり、その後これまで核に対してアメリカにものを言えない風潮が続いていると言った。記者とのやり取りの後、川崎さんは「日本に帰ってからは、これまでのように厚生労働省に対してだけではなく、世界に目を向けて外務省にも働きかえるべきだと気付いた」と語った。
また、現地のパートナーから聞いた情報では、夜の8時頃、被爆者の方の活動の様子がVTV(ベネズエラ国営テレビ)で放送されたとのことだ。
明日からもテレビ、ラジオのインタビューが続く予定なので、被爆者のみなさんの活動に乞うご期待!
(カラカス=吉田紋子、グティエレス一郎)
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