4月20日(火)、本船は最初の港・中国の厦門に寄港し、厦門大学でおりづるプロジェクトによる証言と交流会を行いました。被爆者を代表して兒玉光雄さんが、厦門大学の日本語学部から参加した約40名の学生の前で被爆体験の証言を行いました。
兒玉さんは、広島の爆心地約1㎞以内にあった広島一中で中学一年生の時に被爆し、奇跡的に一命をとりとめました。その後も放射線の影響によって、皮膚などのガンを約11回繰り返したことを、パソコンのパワーポイントを使いながら、わかりやすく説明しました。
最後に兒玉さんは、「原爆を投下した国が憎いとかそういうことではなく、もしも再び核兵器が使われることがあったら人類は決して生きていけない。それを防ぐためには、核の傘をたたむことが大事だ」と強くメッセージを訴えました。証言を聞いた学生からは「ヒバクシャ地球一周を通して伝えたいことは何ですか」「被爆者の子どもたちの健康状況は」などの質問が出されました。また、参加した中国の学生のなかには、小説「黒い雨」を読んで原爆について勉強してきたという人もいて、関心の高さがうかがえました。
交流会では、小グループに分かれて被爆者と学生同士による質問や意見交換を行い、活発な意見交換や交流がとても印象的でした。
はじめての寄港地・厦門での証言活動は、霧のため入港が遅れてしまうというハプニングもありましたが、多くの方のご協力とともに無事に終えることができました。
(佐々野桜)
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