「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」ドキュメンタリー映画のエリカ・バニャレロ監督インタビューが5月6日のNHKラジオの30分番組で流れました。
こちらがその内容です。
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エリカ・バニャレロ監督のインタビュー
5月6日(木) 14.00
NHK ラジオ第2放送『Japan & World Update』
私の出身国コスタリカでは広島・長崎で何が起こったかについてほとんど学ぶ機
会がありませんでした。
学校の教科書には「原爆は戦争を終わらせた」と書いてあるだけでした。
ヒバクシャの方達と会ってみて驚いたのは、皆さん大変お元気でエネルギーにあ
ふれていたことです。これは自分たちの体験したような苦しみを他の誰にも経験
して欲しくないという強い思いから来るのだと思います。
この映画を作る中で一番大変だったのは、まず言葉の問題です。残念ながら私は
日本語が出来ませんので、ヒバクシャの方に直接聞きたい事があっても、いつも
通訳を通してでなければなりませんでした。
もう一つ辛かったのは、原爆投下とその被害という重い内容の証言を4ヶ月間毎
日聞かなければならなかったので、私にとっても精神的にかなりの疲労になった
ことです。
私がこの映画を作ったのは、ヒバクシャがどんな恐ろしい体験をしたのか、そし
てこのような事が二度と起こらないように彼らがどんなに頑張っているかを見る
人に感じ取ってもらいたかったからです。
この映画によって見る人にある特定の考えを信じ込ませようとしているわけでは
ありません。私はただ原爆によってどんな被害がもたらされたかという事実を描
写したにすぎません。
この映画を作る課程で、私はヒバクシャと寝食を共にし全く別人になったような
気がしています。核兵器などについてほとんど何も知らなかった私が、今はこの
テーマとは永久に結びついていくと感じています。今後は国際的にも多くの人に
見てもらえるような、ヒロシマ・ナガサキの映画を作りたいと思っています。
(水野響)
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