ラテンアメリカ諸国は、多くの暴力、人権侵害、政府軍による何千人という人々の虐殺と抑圧に苦しんだ過去を持っています。そのなかでも特にグアテマラは、長年にわたる内戦を繰り返し、人々は独裁政権の下、不安定な状況で生活してきました。ピースボートは、そのグアテマラの若者たちを船上に招待し、彼らに日本の文化や核軍縮について学ぶ機会を提供することで、アジアとラテンアメリカの若者の交流を促進することを目指しています。今回は、グアテマラで最も有名な3つの大学から15名の学生が、7月7日(水)から12日(月)までの6日間、グアテマラからメキシコのエンセナーダまでの区間で乗船しました。
まず、15人のグアテマラ学生を歓迎するために、盛大な日本文化紹介イベントを行いました。書道や折り紙に加えて、今回は福笑いなどの昔遊びや、がっぷり四つに組む相撲など盛りだくさんで、船の一般参加者ともわいわいと、あっという間に仲良しになっていました。
ここで学生達と一番仲良くなったのは、水先案内人の笹森恵子さんでした。童心を忘れず、ほがらかな笹森さんが、日を改めて今度はご自身の被爆証言を語られたことに、学生達は笹森さんの核廃絶への思いと若い世代にむけてのメッセージをうけとり、感銘を受けていました。
その後、軍縮を目的とした平和教育を進めているキャスリン・サリバンさんがファシリテーターをしたワークショップは、非常に印象的でした。受け身になりがちな講座と違い、参加者が積極的にトピックと関わることによる学びを目的としているワークショップでは、難題に直面している世界を変えるために一人ひとりが出来ることを頭で考えるだけでなく心と身体で感じることができるようなアクティビティーとなっていました。
15人のグアテマラ学生との船内企画「核拡散防止 グアテマラの視点」では、映像と現状の分析を通してピースボートの乗船者と共に、世界的な核不拡散の取り組みについてディスカッションを行いました。グアテマラISのメンバーからは、「理想の世界に近づけるために一人ひとりがどのように世界の変化へと関わっていけるのか考えさせられた」と感想を述べていました。
(佐々野桜)
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