被爆証言をする片山文枝さん
9月29日、3番目の寄港地であり、かつ「おりづるプロジェクト」として、2回目の証言・交流の場となるインド・コーチンに入港した。
南インドのケララ州に位置するコーチン市は広島・長崎両市長が推進する「平和市長会議」のメンバーであり、核保有国インドの中にあって、核兵器廃絶にも理解を示す土地柄である。そのせいか、会場となったホールには、地元の高校生や大学生、サリーをまとった女性、ターバンを巻き顎ヒゲを蓄えた男性など、多くの人々が集まった。
地図を使って説明する大羽睦代さん
オープニングに、かつてストリートチルドレンだった子どもたちが学ぶボーンフリーアートスクールによる反核、反戦をテーマにした演劇「白い花」が上演され、続いてヒバクシャと地元市民との交流会、記者会見が開かれた。
ボーンフリーアートスクールによる演劇「白い花」
熱心に耳を傾ける地元の高校生と大学生
夕方から始まった式典では、壇上に居並ぶ高等裁判所長官や元スリランカ大使といった来賓を前に、ヒバクシャの片山文枝さん、韓国の郭貴勲(カク・キフン)さん、カナダ在住のセツコ・サーローさん3名による証言が行われた。ある人は自身の被爆体験を語り、またある人は隣国パキスタンと核兵器保有で競争を続けるインド政府の方針を痛烈に批判。また「おりづるプロジェクト」と連動し、世界に憲法9条をPRする役割で乗船する9条アンバサダー・中島泰子さんが「核兵器の要らない世界を広めるには日本の憲法9条が必要」とスピーチした。
最後に、コーチン市とピースボートが共同で、日本およびインド、そして地球規模の市民社会の連帯を呼びかける「核のない世界に向けたコーチン宣言」を発表、マーシー・ウィリアムズ・コーチン市長が2020年までに核兵器の全廃を求める平和市長会議の「ヒロシマ・ナガサキ議定書」に署名し、閉会した。
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