みなさま、お世話になっております。
5月11日(土)に広島で行った、川崎哲のトークイベント「いま、市民がつくる『核なき世界』」のご報告をいたします!
今回のイベントには、過去に「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」に参加した懐かしい被爆者の皆さんや、今年7月に出航する第6回「証言の航海」に参加するメンバー、メディア関係者など、幅広くご参加いただきました。
若い参加者から、広島在住の被爆者の方々も多く参加されました
今回のセミナーは、ピースボート共同代表の川崎哲が市民運動をテーマに話しました。
まず始めに例としてとりあげたのが、今年3月、ノルウェー・オスロで開催された核兵器の非人道生に関する国際会議です。今回の会議では、世界各国から様々な分野の市民が集まり、『核なき世界』へ向けた大きなうねりを生み出しました。
会議が行われていた会場のロビーには、多くの市民が、それぞれの国の言葉で「サンキュー」と書かれたプラカードを持って集まっていたそうです。通常、デモのような集まりで人びとが持っているプラカードには抗議のメッセージが書かれている事が多いかと思いますが、このとき市民が掲げていたのは、「サンキュー」の文字。『核なき世界』を望む世界中の人たちが、この会議の必要性を十分に感じて、「会議を開いてくれてありがとう」とメッセージを発信していたことを知り、とても感動しました。
また、このオスロ会議での成果・意義について、核兵器を使用した場合の結末にあるものは、地球規模の被害であり、核戦争には勝者がないこと、また、人道救援の不可能生などが話し合われたことだそうです。
川崎は、福島第一原発事故での被害を例に挙げ、放射能汚染がある地域に入れない今の現状を考えると、核兵器が使用された際に人命救助に行きたくても行けない問題に直面する、と指摘しました。
NPT再検討会議について報告する、ピースボート共同代表、
ICAN共同代表、川崎哲(かわさき・あきら)
一方で、4月下旬から5月初めにスイス・ジュネーブで開かれた2015年の核不拡散条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会合では、「核兵器の人道的影響に関する共同声明」に日本が賛同しなかった事が、多くのメディアで取り上げられたことは、みなさまご存じかと思います。
NGO代表としてこの会合に参加していた川崎は、会場の雰囲気なども交え、そのときの様子をお話ししました。
「いかなる状況下でも核兵器が再び使用されないことが人類生存に寄与する」との共同声明に関し、日本が賛同しなかった件について、川崎は「日本は安全保障環境の厳しさを理由に拒否した。被爆国が署名しないのは説得力に欠ける」と訴えました。
ジュネーブの会議の後は、日本を含む署名しなかった国に対して、抗議のデモ行進が行われたそうです。
この共同声明には、ノルウェーやデンマークなどNATOに加盟しアメリカの「核の傘」に入る4カ国を含め、80カ国が署名しました。
川崎は「世界では核兵器は非合法であるという勢力が伸びている」と指摘した上で、我々ピースボートのおりづるプロジェクトとしても、今後も各国の市民と連携をとりながら、市民レベルから『核なき世界』を目指す意義を語りました。
最後に、今回の報告会に関する記事を紹介します。
「NPT準備委での共同声明 ピースボート共同代表が講演」(2013年5月13日、中国新聞)
(おりづるインターン 栗原恵美)
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