6月24日に第83回の船旅を終えて帰港した第7回「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」の非核特使3名とユース非核特使2名が25日、帰国報告のため外務省を訪れました。
出港前にも外務省訪問をされたおりづるプロジェクトの被爆者とユースにとっては104日の世界一周の旅を終えてホッと一息がつけたと同時に、今後への核廃絶運動への強い意気込みが伺える報告会となりました。
外務省で軍備管理軍縮課首席事務官の小野建さんと同課の渡邉卓弘さんに出迎えられ、ピースボートの古賀がまず全体報告。被爆者の高齢化をテーマとしたユースとの取り組みやベネズエラの大統領訪問で実現した政府への核廃絶の申し入れ、タヒチ記念碑の取り壊し廃止の署名収集など寄港地と船内での主な活動の概要を述べました。その後、参加被爆者3名とユース2名が船旅を振り返っての感想や今後の抱負を一人ひとり伝えました。
「この船旅をいろんな意味で五感で体験してきました。寄港地での証言活動を通して本当にいろんな方に温かいお言葉を頂き、感激してもらったことが何よりです。被爆者の高齢化というテーマを自ら意識するともうあと何年語れるかわからないので精一杯話してきました。」と船旅での体験を大切に思う様子が、服部さんの発言から伺えました。
また、坂下さんからは「多国の若者との交流から核廃絶に対しての希望をを見いだせた上、継承にはいろんな形があることをとても実感させられた船旅でした。」と前向きな姿勢を表現しました。
杉野さんは、タヒチで核実験の被害者たちの証言を聞くことができたのが一番印象に残ったとのこと。また、タヒチの核実験被害者の追悼記念碑の取り壊しが決定したことを耳にした時に船内で始めた署名活動についてもお話しし、世界でヒバクシャに対しての意識を高める活動をしている人たちを目にしたことから、日本でも頑張って行かないといけないと実感したと振り返っていました。
ユース非核特使のお二人からは自ら被爆者と若者の架け橋になろうという活動上の苦悩や体験についてお話をしました。「最初は若者の意識が低く、関心を持ってくれないという悩みがあり、言葉を伝えることの難しさを痛感したものの、徐々に興味を持ってもらうことができた気がします。帰国後のこれからもメディアなどを駆使して核廃絶に向けて若者に情報を発信していきたいです。」と今後の意気込みを浜田さんが語ってくださいました。福岡さんも、「ユースと取り組んできた中で、どのように継承していくか考えて行くのが今後の課題ではないのか」と話してくれました。
課題を見つけた福岡さん
そして首席事務官の小野さんからは、「非核特使とユース非核特使のみなさんの活動は外務省にとってもとてもありがたいものであり、外務省でも核兵器に対しての意識をいろいろな世代に広めていくことの重要性、核問題の普遍性などをテーマとして、今年末にオーストリアのウィーンで開かれる核兵器の非人道性についての国際会議でも取り組んでいきたいと思っている」という言葉を頂きました。最後に、「お体には気をつけて証言活動をこれからも続けて頂き、外務省としても是非活動の力になっていきたい」という温かい応援で訪問を終えました。
ピースボート・インターン 松本にいな
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