1.ヒバクシャ証言の航海

8月4日 広島市長表敬と記者会見

第7回おりづるプロジェクトの広島メンバーとスタッフで、広島慰霊のこの時期に広島を訪れています。街の活気の中にも、どこか8月6日を迎える準備が感じられます。
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雨の中を平和式典の準備が進む平和記念公園

そして、8月4日(月)、第7回おりづる参加被爆者の李鐘根さん、坂田尚也さん、坂下紀子さん、中村元子さん、そしてユースの福岡奈織さんが松井一實広島市市長と面会し、帰国報告をしました。集合写真

松井市長と川崎さん
ご挨拶を下さる松井市長とおりづるプロジェクトを紹介する川崎哲

「昨今の世界情勢や日本の周辺諸国との軋轢に危惧を感じる時だからこそ、被爆者とユースが恒久平和への思いを持って、行動に移していくことは世界でますます必要であり大切なことです。これからもみなさんと思いを共にしていきます。おかえりなさい。」
という松井市長からの挨拶に始まり、プロジェクト参加者のみなさんもそれぞれに地球一周の報告をしました。

特に特別プログラムとして実施されたアウシュヴィッツ強制収容所での経験を語る方が多くありました。うずたかく積まれた被害者の遺品の中に女性の髪の毛や小さな子どもの靴などが見て涙が止まらなかった経験、また自分の指し示す指の方向一つで目の前の人間の過酷労働かガス室での死かの運命を決定したホロコーストの非人道性を強く感じたことが話され、市長も真剣に聞いていらっしゃいました。また、ブルネイやベネズエラで国家元首に直接会って核廃絶への取り組みを訴えられたことには大きな期待とやりがいを感じられたとのことでした。

差別や被爆経験に苦しむ母親の姿を避けるように、結婚以来関東地方に行っていた坂下紀子さんは、昨年40数年ぶりに広島の平和式典に参列したそうです。
坂下さん
その時の松井市長の平和宣言を聞いて、被爆体験を継承する被爆者としての使命を強く感じました。そこで乗ったピースボートでは若い人びとと多く語り合い、新しい継承の形を探ることができたと希望と充実の笑顔でお話されました。
その語り相手でもあり、ユースとして被爆体験や原爆の実相を誰がどのように学んで伝えたらよいのかを模索していた福岡奈織さんは「世界中で過去の歴史を伝えるために人びとが努力し、悩んでいることがわかった」と話し、被爆者と若者がしっかりじっくり長い時間をかけて話せる場作りに積極的に関わっていきたいとのことでした。実際に今年の8月6日には若者40名が集まって被爆者と対話をするイベントを、若者も集まりやすいカフェで企画しています。
福岡奈織さん

過去から学んで未来を作る大切さ、そのために個人の行動の大切さを広島市長、ならびに広島市役員の方々にお伝えすることができたのではないでしょうか。

記者会見
その直後に行われた記者会見では、帰国報告とともに被爆70年にあたる2015年春に実施する第8回「証言の航海」の発表も行いました。平和首長会議との協力で、寄港地で「過去と今の対話」プロジェクト(英語名:”I was Her Age” Project)が行われます。これは、被爆当時5歳から11歳だった被爆者と、訪問先の5歳から11歳の子どもたちとその親たちが対面して「私がこの子と同じくらいのことには、、、」という話をきっかけに交流を深めるものです。このプロジェクトの宣伝ポスターも始めて公表されました。
ポスター紹介

すでにインド、フランス、ポーランドで市が同プロジェクトを歓迎してくれることが決まっており、今年いっぱいかけて各寄港地でのプログラムを構築し、核兵器禁止条約の締結に向けて、核の非人道性をより強く世界へ訴える「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」になります。

この日、同時に第8回おりづるプロジェクトの被爆者ならびにユースの募集も始まりました。
(応募の詳細はこちら

ピースボート 渡辺里香

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