今回はオーストラリア最後の寄港地、シドニー編をお届けします。
とても盛りだくさんな一日でした!
まず船内で行われたのは、その土地の先住民の方による歓迎セレモニーです。
シドニーでさまざまな活動をしている多くの方々も参加し、彼らの活動についてや、ピースボートのシドニー入港を歓迎するスピーチがありました。
船内では記者会見を行い、今回の「おりづるプロジェクト〜オーストラリア特別編〜」の意義や、それぞれの想いを発信しました。
そしてシドニーの街に繰り出し…
日本領事館、そしてオーストラリア連邦シドニー支部の建物の前で「核兵器禁止条約に署名を!」というメッセージを伝えるユニークな集会を行いました。
200人ほどが集まったこの集会では「核の傘は本当に必要?」「核の抑止力は成り立たない」「そんな傘の下にはいたくない」という想いをあらわすために壊れた傘をさしました。
ピースボートの参加者の皆さんも足を運んでくれ、船内で一緒に作成した「核兵器禁止条約に署名を!」というバナーを掲げました。そして、「私たちは核兵器を廃絶する」という想いを込めた「#YesICAN」のプラカードでメッセージを伝えるフォトアクションも行いました。
これまでのオーストラリア区間ではさまざまな企画を行ってきましたが、実際にわたしたちのメッセージを「見える化」して行動につなげるという意味で、シドニーで行ったこの集会はとても強く印象に残っています。
そして最後は、シドニーの先住民コミュニティーにある「レッドファーン・コニュニティー・センター」でのスピーキングツアーです。
田中煕巳さん
長谷川花子さん
長谷川健一さん
カリナ・レスターさん
今回も長崎の被爆者である田中熙巳さん、福島県飯舘村の長谷川健一さん、花子さんご夫妻、そしてイギリスの核実験の被害者二世であるカリナ・レスターさんがそれぞれの体験や想いを話してくれました。
どなたかおひとりの話を聞くことさえ貴重ですが、このように原爆・原発・核実験という多角的な視点から核について考えることができたのは、今回ピースボートがオーストラリア各地に寄港したことで実現したピースボートならではのプロジェクトだと感じました
核における問題はこの世界に住む全ての人の生活や命に関わることであるはずなのに、自分が「ヒバクシャ」になるかもしれないと感じることは難しく、その存在もどこか遠くに捉えてしまいがちです。
ある日突然、もちろんなりたくもなかったのに「ヒバクシャ」になってしまった人々の姿は、その証言に耳を傾けていた人々にどのように映ったのでしょうか。
自らがヒバクシャになったことで「他の誰にも同じ体験をさせてはいけない」という信念をもって伝えて下さるその声は、ヒバクシャではない私たちに向けられています。
自分がヒバクシャになるかもしれないということ、
そして、自分の大事な人がある日ヒバクシャになるかもしれないこと。
多くの人がそんなことを考えることができれば、きっと核をめぐる状況はもっと変わるはずです。
そして、その大きな波を起こすための一滴をつくりながらオーストラリアの5寄港地をまわった今回のスピーキングツアーは、本当に意義があったと思います。
そして、これを始まりとして世界中で実施できればさらに大きな波になるのではないでしょうか。
そんな波を起こしうるひとびとに、こんなにも会えたのだから。
一緒に、声をあげ、変化を起こしていきたい。
“Be the change you want to see in the world”
「世界に変化を求めるなら、あなた自身がその変化になりなさい」
私の大好きな言葉、マハトマ・ガンジーの言葉です。
<メディア掲載>
Boat activists want nuclear weapons banned
Australian Associated Press
February 5, 2018
http://www.news.com.au/national/breaking-news/japans-peace-boat-glides-into-sydney/news-story/93a95366eef1744bf12c9cab4c8dda05
Nuclear bomb survivors glide into Sydney on Japan’s Peace Boat
SBS
5 Feb 2018
https://www.sbs.com.au/news/nuclear-bomb-survivors-glide-into-sydney-on-japan-s-peace-boat
U
S’s new nuclear policy ‘a blueprint for war’, Nobel peace laureate says
The Guardian
6 Feb 2018
https://www.theguardian.com/world/2018/feb/06/uss-new-nuclear-policy-a-blueprint-for-war-nobel-peace-laureate-says
‘End of nuclear weapons or end of us’: Survivors call on Australia
SBS
6 Feb 2018
https://www.sbs.com.au/news/end-of-nuclear-weapons-or-end-of-us-survivors-call-on-australia
Nichigo Press日豪プレス
豪州各地で核問題イベント開催
ピースボート・ICANが共同催行
2018.3.1
http://nichigopress.jp/nichigo_news/monthly_news/159993/
文:おりづるユース 安藤真子
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