3.核廃絶へのいろいろな動き

三宅信雄さん:映画監督のインタビューに答える

11月28日、イスラエル出身で現在アメリカのニューヨークに住んでいる映画監督オリ・クレイナーさんが、来年2015年に向けて作成している映画のために来日されました。長崎を訪ねることを主たる目的にされていましたが、東京に滞在中にも被爆経験を聞きたいとのことでした。そこで、これまで2回ピースボートに部分乗船をしておりづるプロジェクトを実現してくださった三宅信雄さんにインタビューをお願いしました。

三宅さんのご自宅にて

今回の映画「その後の日々(仮訳)」では、1945年8月に落とされた原爆を経験した被爆者の歩んできた人生の断片を紡ぎ、ドキュメンタリーとするねらいで、証言だけでなく、歴史的な事柄を反響した詩的な視覚的および概念的映像も撮影予定。戦下の罪重き行為によってその後の人生が変えられてしまった人々の証言を映像で描くもので、2015年初頭に完成予定だそうです。

そこで、三宅さんには「1945年8月6日を経験した後に、どのような人生を歩んできたのか。」「人生を振り返って、原爆という非人道的な兵器を経験したことから、人々にどのような教訓を得たのか」という質問から、福島の事故後の収束も出来ていないうちに日本から世界に原発の技術が輸出されようとしている懸念など、3時間に渡る熱いインタビューとなりました。

三宅さんは、ご自分の経験だけにとどまらず、世界での核兵器の状況をお話くださいました。中でも、忌々しい記憶と経験から逃れるように広島から東京に来て大学時代、エンジニア時代を過ごしていたこと、その後たまたま被爆者の会に関わることがありその時に他の被爆者の証言と尽力する姿を見て「今まで自分に起きたことを消し去るように生きてきたことを後悔し、反省の意を込めて命ある限り語り続けたいと思っている」とおっしゃっていたことは大変印象的でした。オリ監督も真摯に聞き入り、すべての発言を撮影していました。

三宅さん(真ん中)とオリさん(右)

ヒロシマ・ナガサキから70周年となる2015年、様々な取り組みがあると思いますが、イスラエル出身の映画監督による、核兵器と核エネルギーのない世界を求めて作られる映画に期待したいと思います。

ピースボート 渡辺里香

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