先日吉祥寺にある明星学園にて、小谷さんがパペットを使って被爆証言をしました。
相手は中学二年生、始まる前は会場に少しざわつきがありましたが、小谷さんの証言が始まると、学生は皆真剣に証言に耳を傾けていました。
私(=渡邊まあり)も、きちんと被爆証言を聞いたのはこれが初めてだったので、おりづるインターンとして原爆について学ぶことができてよかったです。
5歳の時に広島で被爆をした小谷さん。弟をすぐに亡くし、その数年後、母親を亡くしました。
私が証言の中で最も心に残ったのは、小谷さんのお母さんのお話でした。
原爆投下後、小谷さんとその家族は力を合わせなんとか生活をしていました。兄弟の中でも被害が少なかった小谷さんは、原爆孤児の世話をしに行っていた母親になかなか構ってもらえず寂しい思いをしていたといいます。
ある日その思いをお母さんにぶつけると、こう言われたといいます。
「あなたは夜になればお母さんに会えるけど、原爆孤児の子は何日待ってももうお母さんには会えないんだ。」と。
こんなに厳しい状況でも、自分たちのことだけでなく他の人のことも考えていた小谷さんのお母さんに、本当に感動し、尊敬すらしました。
証言が終わり質疑応答に入ると、生徒たちからは鋭い質問が多くあり、明星学園のレベルの高さに驚きました。
その中でも特に印象に残ったのは、アメリカに対してどう思うか、という質問に対する小谷さんの回答です。
生徒たちが予想していたのは、おそらく怒りや憎しみといった感情だったのかもしれません。
しかし小谷さんは、同じことを繰り返さないでほしい、相手を憎んではいけない、と言うだけでした。
憎しみからは何も生まれない、ということを繰り返し主張していた小谷さん。腹話術を取り入れた証言は、見ても聞いても面白いものでした。
ピースボートはこれからも小谷さんの活動を応援していきます、一緒に頑張りましょう!
証言会を開催してくださった、明星学園中学校の教職員ブログ:
http://www.myojogakuen.ed.jp/high_school/category/teachers_blog
副校長の堀内先生の最後のまとめに感銘を受けます。
「国を超えて、世代を超えて平和を願う小谷さんの思いが伝わってくるやりとりでした。来週にはオバマ大統領が広島を訪問します。マスコミはどんな報道をするのでしょう。今日の話を聞いた子どもたちはそれぞれ素直で素敵な感想を書いていました。ニュース番組を見ながら何をつぶやくのでしょう。その時、そばにいる大人がどんな言葉をかけられるのか、あるいはあえて軽々しい言葉をかけないようにするのか。試されるのは我々おとななのかもしれません。」
ピースボートインターン 渡邊まあり
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