3.核廃絶へのいろいろな動き

8月5日広島イベント「みあげる」

今年の8月6日を広島で過ごした第8回ユースの鈴木慧南さんが、
若者が集って作り上げたイベントに参加したりと改めて広島で感じた思いをつづってくれました。
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今年も暑い夏の季節がやってきましたね。

広島に原子爆弾が投下されてから、71年目の夏を迎えました。

1945年8月6日。午前8時15分。

T字型をした相生橋を目標にして1発の原子爆弾が投下されました。

少しずれた島病院の上空600mで炸裂し、

広島のあらゆる生命を一瞬にして破壊しつくしました。

そんな日から今年で71年目。

今年は5月にアメリカの現職大統領としては初めて

オバマ大統領が広島を訪問したことが話題となり、

海外からも多くの人が平和公園に集まっていました。

8月5日は「みあげる」というイベントに参加しました。

8時15分に相生橋から空を見上げるというアクション。

目標落下地点から、実際に落下した空を見上げる。

あの場所から「死」が広がっていったって思うと、胸が痛くなります。

ここから飛行機を眺めた人もいるのかなあ。

そんなことをふと思いながら、

約10分間その空を眺めていました。

その後、第8回おりづるプロジェクトで一緒に乗船した

伊藤正雄さんにガイドをお願いして、

約2時間平和公園を案内していただきました。

伊藤さんはヒバクシャでありながら、広島市の伝承者の

第1期生でもあります。

広島の歴史から、原爆投下まで。

またそれぞれの被爆遺構はどんなものなのか、

じっくりとお話をしていただきました。

伊藤さんのお話を聞いて一番に思ったことは、

広島の歴史を知らないと広島の原爆投下にはつながらないということ。

何もなくいきなり原子爆弾が投下されたわけですが、

その前に、軍事都市さったこと、平地が広がっていたこと、

空襲を受けていなかったということなど

さまざまな要因があった広島に原爆が投下されたことは

知らなければいけないことです。

そして、今年の広島の式典には本当に多くの人が参加していました。

オバマ大統領の訪問効果があってか、例年以上に

海外からの参加者も多くみられました。

広島の式典でいつも思うのは

「外に目をむけている」ということ。

広島から世界へ平和を発信しようという思いを強く感じます。

そのため大規模で、メディアの数も多く、

広島の人より県外からの参加者のほうが多いのではないかと思うほど。

原爆ドーム付近で抗議行動をやっていた人を含めて、

どこからどこまでが地の人なのかわかりませんでした。

そして、今年の松井市長の平和宣言はなんだから広島らしくはないと思いました。

核兵器のことを「絶対悪」と強調し、

オバマ大統領が訪問した際に言った安倍総理の言葉を指摘し、

それを守るように政府に訴えかけていました。

例年に増して強い口調での平和宣言の背景には

オバマ大統領訪問があるのでしょうか。

一方で安倍さんはいつも通り。

もう何年も式典での話を聞いていますが、本当に口先だけです。

なんのためにこの日に広島に来て、

なんのためにあの大切な場所で発言をするのでしょうか。

彼の言葉で傷つく人がいるのなら、

もうあの会場で発言をしなくてもいいのではないかとすら思います。

そして6日の夜は沖縄でも行った若者会議を広島で行いました。

広島、長崎、沖縄を中心に集まったメンバーで

ざっくりゆるーく平和に関して話す場所。

こういう場所は、わたしのような学生にとっては

とても貴重な場所であり、重要な場所だと思います。

それぞれバックグラウンドが異なる中で、

同じ体験でも感じ方が全く異なります。

その時間を共有できることで、

広島で経験した言葉にならない想いが

言葉になる瞬間があります。

それが、できるとできないとでは大きく差があると思っていて、

だからこそ、その日に本音で話せる仲間がいることに感謝です。

あの日から71年が経過しました。

この期間は早かったのか、遅かったのか、

感じ方は人によって異なると思いますが、

現状はあまり変わっていません。

核兵器は依然として存在し、ヒバクシャの人の心を痛めています。

少しでもはやく、ヒバクシャの人が安心して暮らせる社会を

わたしたちで創っていかなければいけないと改めて強く思いました。

第8回おりづるプロジェクト・ユース 鈴木慧南

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