2.ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)

10月9日 川崎哲!緊急帰国報告会!

みなさん、こんにちは。
ピースボートスタッフでピースガイドでもある橋本舞です。

10月6日、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受賞しました。
その受賞をお祝いすべく、9日(月)にピースボートセンターとうきょうにて、過去にピースボートに乗船いただいた被爆証言者をお呼びし、受賞記念イベントを行ないました。
また、95回クルーズに合流するためアイスランドのレイキャビクへと向かっていた、ピースボートの共同代表でもあり、ICAN国際運営委員でもある川崎哲さんが緊急帰国し、受賞記念イベントにて挨拶を行いました。

当日は13時開場、14時開始だったのですが、早くから取材の記者や受賞を祝うべく被爆証言者が集いました。
一般の方も参加され、会場には約100名近くの方が集まりました。

まずはじめに、先日のパブリックビューイングでの受賞発表の映像が流れました。
その後、緊急帰国された川崎哲さんの挨拶です。
その中で強調して
「お互いにおめでとうを言い合いましょう」と仰られました。
その理由として、
「ICANは『核兵器廃絶を目的として行動する』約460ものパートナー団体からなる組織であり、個人の力では続けることが出来なかった。ここまで運営が続けられてきたのも、核兵器禁止条約が成立されたのも、今まで証言活動を行なってきた皆さんの一つ一つが積み重なった成果である。
皆さんが1人1人、核兵器の怖さを体験談から証言し、核廃絶を訴えてきたからこその受賞です」と一緒に活動してきたみんなで作ってきたものであると話をしてくれました。

※スピーチをする川崎さん

川崎さんの挨拶の後は、ピースボートプロジェクトのひとつである「おりづるプロジェクト」に関わってくださった被爆証言者の方々からのコメントをいただきました。
16歳の時、広島で被爆し、第7回おりづるプロジェクトに参加した服部道子さん。

「私はとにかく嬉しいの!皆が続けてきた被爆証言がこんな風に世界に評価されたんだもの。私自身も船に乗って詳しく勉強して海外で被爆証言をしてきました。そんな中『本や映画で核のことは知っていたが、あなたの話を聞いてそこまで被害があったなんて知らなかった』と言ってハグしてくれた人がいたの!本当に嬉しかった。また違う国では『私の国は原発はいらなかったのに、日本が原売りにきた!それはどう思うんだ』と言われたこともある。外務省の人間ではないから、その辺は何も言えないが、一被爆者として、核の怖さを伝えたい、そして汚染物質が残ると分かっている状態で原発は作るべきでないと私の思いを伝えたところ、その人はハグをしてくれた。本当に嬉しかった。
これから未来を生きる子どもたちのためにも核のない世界を作りたい。そして、地球があってこその私達なんだから、核の脅威と共存できるわけないと思っている。」
と語って下さいました。
ご自身の証言体験を交えながらのシンプルな言葉は、服部さんの喜びが直接に伝わってくる内容でした。
※第7回おりづるプロジェクトに参加された服部道子さん
また、パブリックビューイングで受賞の瞬間を共に見守った、女優の東ちづるさんも、今回の受賞記念イベントに駆けつけて下さいました。
ご自身は広島出身ということもあり、幼いころから平和学習として戦争のことを学ばれてきました。
「私にとって戦争のことを学ぶのは身近なことであり、そこから平和の大切さや儚さを知る機会でした。そんな中で被爆者の方ともたくさん関わってきました。多くの被爆者の方が『あの時の体験は早く忘れたい。でも未来の子たちに同じ思いをして欲しくないから自分達が語り継がなければいけない』と思って地道に草の根運動のように被爆証言をしてきた。それが今回、このように評価されて本当に嬉しい。そしてここからが始まりだと思います。原爆でたくさんの文化や大切な人を失いましたが、言葉は失われていません。これからも言葉を紡いで、力強く優しい言葉で伝わるように頑張っていきましょう」
と、これからの世代にも向けたエールの言葉を下さいました。
※スピーチをする東ちずるさん
今回のノーベル平和賞受賞は、核兵器禁止への追い風となり、世界中を核の問題へと目を向けさせました。
世界から核兵器を無くすための、重く錆び付いた扉を大きく開ける躍進力となるに違いありません。

【追記】

また、今回の受賞を待
たずして、亡くなられた被爆者の方もたくさんいらっしゃいます。
その方々が今回の受賞を知ればどんなに喜んでくれたでしょうか。
今回、報告会を行うに伴い、過去のおりづるプロジェクトにご参加された方々にお電話をする機会がありました。
その中にも「同じ被爆者の妻は先月亡くなったんです」という方もいらっしゃいました。
そのご夫婦は、地元で共に、被爆証言を長年続けられてきました。
今回の喜びを共に語ることは出来ませんが、
きっと奥様始め、たくさんの亡くなった被爆者の方が、空の上から喜んでいることでしょう。
核兵器廃絶に向けたこの大きな一歩を、
これからどう活かしていくかは、次世代を担う私達の役目でもあると思います。
「実際に体験しなきゃ怖さが分からない」では遅いのです。
ここまで言葉を繋いで下さった被爆者の方からバトンを受け取り、次は自国の政府も含めた大きな一歩が踏み出せるよう、核兵器廃絶を訴えて続けていきましょう!
※最後は全員で記念撮影
おりづるピースガイド 橋本舞

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