みなさんこんにちは。ユース特使の浦田沙緒音です。
この投稿では、船旅の最後の締めくくりとして行った、ピースデーについて報告します。
ピースデーのテーマはこちら。
『ピースデー 過去から学び、未来を見つめる』
“peace day learning from the past, looking to the future.”
第一次世界大戦が終わった11月11日、その日はハワイイの寄港日だったので、その前日である11月10日、ピースデーを開催しました。
おりづるプロジェクトの船内での活動としては、大きなイベントでした!
このピースデーでは、様々な視点からヒロシマナガサキ、原爆、そしてこれからの未来について考えてみる企画を設けました。
・全8回の講習を受講したおりづるピースガイドたちの、スピーチによる発表
・木村徳子さんの証言の朗読
・「原爆を許すまじ」「青い空」「おりづる」の合唱
・詩の朗読とパフォーマンス
・原爆の量を体感するワークショップ
・「ヒバクシャとボクの旅」上映会+ディスカッション
・「原爆と人間」ポスター展示+木村徳子さんによる解説
・広島、長崎にまつわる書籍の紹介
・“what is your peace?”「あなたにとっての平和とは?」ワークショップ
・木村徳子さんの証言をもとに制作した紙芝居「リトル・ガール」の読み聞かせ
・“we can we do?”「私たちにできること」ワークショップ
・クロージングディスカッション+活動報告
では簡単に、ピースデーで行われた企画を紹介していきます。
6名のピースガイドによるスピーチでは、
「ピースガイドで学んだこと」「展示会の経験・卒業生のおりづる」「演劇の経験」
「原発事故から学んだこと」「学校の行事を活用した発信」「核兵器禁止に向けてできること」
といったテーマで、若者の立場からのスピーチや教師であった頃の思いからピースガイドを受講したお話など、スピーチでも様々な立場から発信がありました。
※ピースガイドについて詳しくは↓からご覧ください。
https://ameblo.jp/hibakushaglobal/entry-12333717625.html
※「学校の行事を活用した発信」について
8回の講習を受け、木村さんの証言や原爆に関する知識を学んだ上で、各々が自身の言葉でスピーチする姿はとても熱いものでした。
※「核兵器禁止に向けてできること」について
そのスピーチの間には、木村徳子さんの証言とヒバクシャ国際署名に掲載されている文章を一部抜粋して朗読したり、船内で歌声喫茶をされている方が中心となり「原爆許すまじ」などの3曲を合唱したり、マレーシア出身で今回ピースガイドになられた方が自身で作られた詩を、みんなでパフォーマンスも含め表現したりもしました。
※有志が練習してきた合唱
※詩とパフォーマンス
また船内のフリースペースでは、ワークショップと展示が行われ、寄港地前であったため短い時間ではありましたが、多くの人に見てもらうことができました。
※展示のようす
「原爆と人間」ポスター展では、木村徳子さんによる解説ツアーがなされ、鑑賞するだけでは見えてこない原爆投下直後の様子や徳子さんが見た光景などをお話していただきました。
徳子さんの声にひかれ、聞き入っている方も。
※解説しているようす
what is your peace?は、韓国出身の若者が企画し、船内で多くのパッセンジャーの方に「あなたにとっての平和とは?」を書いてもらい、スライドショーで流しました。
「平和」という抽象的な言葉を自分ごとにして考えてみると、案外難しかったり、私にはこれしかないという方もいて、人によって「平和 peace」の存在の違いがたくさんあることがわかります。
人によって「平和」のイメージはそれぞれありますが、自分ごとにしてみることで「平和」や「核」について考えるきっかけになるかもしれません。私はそう思います。
※平和な世界のために、わたしたちには何ができるでしょうか。
また、木村徳子さんの証言をもとに紙芝居を制作し、子どもたちを対象に読み聞かせをしました。証言を絵に置き換える作業は、とても難しいものでした。
徳子さんが見たものを私たちは想像し、描くことによってさらに想像し直す必要があります。
描いたものが見たものとつながるのか、描いたものを見て徳子さんの経験を想像できるのか、改めて伝えることの難しさを痛感しました。
※紙芝居のようす
報告会やワークショップ以外に、第1回おりづるプロジェクトを題材に制作された映画「ヒバクシャとボクの旅」の上映会も行われました。
※上映のようす
そしてピースデーのクロージングイベントとして、若者と木村徳子さ
んによるクロージングトークセッション「核のない未来に向け、私たちができること」を行いました。
今回はピースガイドを受講し、無事にピースガイドに認定された国籍も多様な若者4名に参加してもらいました。
おじいおばあの平均年齢が日に日に数字を増し、沖縄戦を語り継ぐ者が少なくなっていることは、広島長崎を語り継ぐ者が少なくなっていっていることと比例している事実を語ってくれた沖縄出身の子と、広島出身で自身も被爆3世であり平和教育を受けたけれども、今回乗船したことがきっかけで原爆のこと、広島のことについて語り継ぐことを決めた彼女。
what is your peace?を企画してくれた韓国出身の子が韓国の教育現場で原爆や被爆者のことについて伝えていきたいと話をしてくれたり、船内で発行される船内新聞の新聞局で活動し、徳子さんに取材を行ったことがきっかけでピースガイドを受講したと話してくれた彼女。
※登壇者たち
※その後のスピーチ
若者というカテゴリーだけで若者を見ただけでは決して見えてこない、一人ひとりが抱えている背景。その背景を通して、なぜ自分たちはピースガイドを受講したのかという話から、伝えることの難しさ、そして下船してからやりたいことを、聞きに来てくださったみなさんに、少しでも共有できたのではないかと思います。
寄港地前のため半日の企画ではありましたが、今回は3つの場所を使用し同時多発的に企画を行ったこともあって、とても濃いイベントになったと思います。
毎クルーズごとにこの「ピースデー」が浸透し、1日でも多く原爆や核のことについて、広島長崎について考え、発信していく時間が当たり前になっていってほしいと思うばかりです。
このピースデーでは、おりづるプロジェクトから広がり、多くの人が企画、運営に携わっていました。
そんなように、プロジェクトだけの人間が考え、行動するのではなく、そこから派生して一人ひとりが考えていこう、そんな社会になっていくべきだと改めて思います。
おりづるユース 浦田沙緒音
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