みなさん、こんにちは。
ピースボートの野口香澄です。
5月23日はスリランカのコロンボに寄港しました。
コロンボではスリランカの外務省を訪問しました。
そこでは事務次官のPrasad Kariyawasam (プラサド・カリヤワサム) さんにお会いしたのでそのときの様子をご報告します。
そもそも、スリランカという国は2017年の核兵器禁止条約の交渉会議に参加し、賛成票を投じています。
その一方で、核兵器禁止条約成立後、署名・批准に関してはまだしていません。
98回ピースボートの船旅が地球一周の船旅にいく前3月にスリランカのカル・ジャヤスーリヤ国会議長が広島へ訪れ、広島の平和記念資料館を訪問したというニュースがありました。
日本に対しても核廃絶に対してもポジティブな面がある中でなぜ、未だ核兵器禁止条約に署名・批准をしていないのかなど短い時間の中でお伺い出来るかどうかを期待しながら訪問しました。
現在、事務次官のトップであるプラサド・カリヤワサムさん。元国連大使という経歴をお持ちの中、36年間もの間外務省にて勤めている方です。最初ご挨拶の中で1984年に長崎に行ったことがあるという話をしてくれました。
長崎へ訪問した際に、平和公園など訪れ、原爆の実情や被爆者の痛みについて感じたといいます。
そんな長崎に対しても被爆者に対しても想いを寄せるプラサドさんへスピーチをしたのは、長崎での被爆者である倉守照美さんです。
緊張した面持ちの中でもはっきりとした口調で「いつ署名と批准が出来るのか」ということを訴えていくことができました。
スリランカは核を持たない国です。
核を持たない、原子力を使用しないことを大事に世界を変え核廃絶へ向けて動けたらとプラサドさんは仰っていました。
スリランカの核廃絶への考えとしては、1つの国が核廃絶を目指しても他の国も核廃絶をしていかなくてはいけない。
他人を理解して初めて核廃絶が出来るといいます。
その一方で、政府が核兵器禁止条約に署名・批准するのは別のものと言います。
スリランカは条約には賛成していると言います。
しかし、条約に署名・批准するにあたっては民衆の声を集め、意見を聞きいつの日か署名・批准が出来るようにしていきたいと言っていました。
プラサドさんは核兵器禁止条約に署名・批准していないのは日本もスリランカも同じであり、民衆の意見を取り入れて決めたいと繰り返し仰っていました。
しかし、私は日本とスリランカの核兵器禁止条約に対しての方針は全く違うと思います。
日本はそもそも条約の会議から始まり、署名・批准にも反対をしています。
そこの差はたった10年前まで内戦があったスリランカだからこそ痛みを知り、二度と争いのない世界を目指しているから和平の国ならではだと思います。
会議が終わった後に参加者は口々に「核廃絶へ前向きな考えで良かった」「署名・批准は近い将来してくれるのでは」などスリランカに対しての期待が述べられました。
ノーベル平和賞のメダルを持って記念撮影もし、折り鶴の風鈴もプレゼントしお互い核のない世界に向けて努力を誓いました。
外務省訪問が成功に終わり、みなさん安心した様子で昼食会場で水で乾杯をしました。
次回は少し洋上生活が2週間ほどあり次の寄港地はギリシャのサントリーニ島へ向かいます。
どのような人と出会えるか楽しみです。
ピースボート 野口香澄
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