みなさん、こんにちは。
ピースボートの野口香澄です。
先日7月4日はアイスランドのレイキャビクに寄港しました。
どこでは外務省へ行き、外務大臣と面会をしました。
その時の様子をお伝えします。
今回のプログラムはピースボートとICANの共同代表である川崎哲も合流し、そして水先案内人でありICANサポーターであり元オーストラリアの国会議員であるスコット・ラドラムさんも参加しました。
まず、先にホフディハウスに訪れました。
過去にも何回かおりづるプロジェクトはレイキャビクに訪れ、レイキャビク市より歓迎されてきました。その時に毎回ホフディハウスには訪れます。
ここは1986年にアメリカのレーガン大統領とソ連のゴルバチョフ書記長が冷戦終結のための会議が行われました。
この会談の中で言われた「すべての種類の核兵器を全廃する」ということ。
合意には至りませんでしたが、もし至っていたら今回私たちがレイキャビクに訪れる目的はありませんでした。
ホフディハウスで記念撮影を行い、外務省へ向かいました。


過去何回か訪れた中で外務省の外務大臣と面会が出来るのは今回が初めてです。

アイスランドの安全保障はアメリカを中心とするNATO加盟国に依存をしています。
核兵器禁止条約の交渉会議決議には反対し、交渉会議自体にも反対をしています。
しかし、今年に入ると議会は核兵器禁止条約に関する調査を行うことを決議しました。
調査の中で少しでも核兵器禁止条約に対して前向きな考えになるきっかけとして私たちの面会がより良い意見交換の場になれたらと思い、意気込みました。
外務大臣は Gudlaugur Thor Thordarson(グドゥロイグル・トール・トールダルソン) さんです。
15分という短い時間ですがお会いすることができました。

ピースボート・ICANの川崎、被爆者の上田さん・倉守さん、ICANサポーターのスコットさんが挨拶と想いをお伝えした後に外務大臣よりお話がありました。
アイスランドも核廃絶への道に関しては同意をしている。
またNPT条約(核不拡散条約)に関しては成功をしていると思っている。
冷戦時代の7万発の時と比べて数は減ってきています。
北朝鮮にしろ、シリアにしろ、核兵器が持っていたら使う危険性は十分にある。
なので、NPT条約の道に進んでいき、核兵器禁止条約にはサインはしないというものでした。
それに対して、ICANの共同代表である川崎は、「この条約は核軍縮の中では重要な一部である。この軍縮を考えるとNPTは一部に過ぎない。軍縮からさらに進んだ活動をする必要がある」と話をしました。
大臣からは「持つべきではない国が持っているという事実がある。安全保障として核軍縮をしていきたい。NPTの条約として核のない世界を進めていくことをしていきたい。」と話をされ外務省をあとにしました。

ノーベル平和賞のメダルと共に記念撮影をしました。
「平和賞を受賞したことを大切に共に核兵器のない世界を歩んでいきたい気持ちは同じです。」と大臣から一言ありました。

午後は、外務委員会委員長および委員の方々と面会をしました。

左の女性が外務委員会委員長です。
まず、アイスランドの核軍縮への立場をお話していただきました。
「アイスランドとしては核兵器に関してNATOの中で決まった動きがある。NPT条約に沿って核軍縮をしていきたいと思う」という話をしました。

川崎からは「NPTに参加しながら核兵器禁止条約に加盟することは可能であるということ。
核兵器はNATOの加盟国的に対して、法的な意味はなく政治的がある。
NATOのことは加入する時に重要ではない対人地雷を考えるとアイスランドは加盟国である。」と話をしました。
また、長崎被爆者の倉守さんからも被爆証言と共にメッセージを残しました。

アイスランドはNATOの加盟国であるということで核兵器禁止条約に対しては署名をしないという姿勢が強く出ていたように思えます。
NATOの加盟国または核の傘にいる国々でよく言われる言葉があります。「核廃絶へ向けて共に歩んでいきましょう。」と。
この言葉はどういう意味があるのでしょうか?
私たちは核廃絶を本気でする為に政府の方々に面会しメッセージを伝えています。
しかし、その政府が私たちの言葉に耳を傾けてもらわないと共に歩んでいけません。
これは、72年間体験を話してくれてきた被爆者に失礼だなと思うと共に残念な気持ちになります。
でもここで諦めない為にも私たちは考えが変わるまで訴えていきたいと思います。
ピースボート 野口香澄