3.核廃絶へのいろいろな動き

祝!日本被団協ノーベル賞授賞式行動ツアー ~現地1日目~

滞在1日目、朝早くから有志メンバーが国会議事堂前に集まりこれから出勤する市民や議員に向けておりづるを渡すアクションをおこないます。
ここにはICAN事務局長のメリッサ・パーク氏やピースボート共同代表の吉岡達也も合流し、参加者と一緒におりづるを渡しながら、1羽1羽に込められた核廃絶や平和のメッセージを伝えました。
原爆に関する歌を歌ったりホットドリンクが配られたりとちょっとしたお祭り状態になった会場には、多くの方が足を止め被爆者の声に耳を傾けました。

折り鶴を準備したICANノルウェーメンバー

 

その後はメディア取材に対応するため、貸し会場のセントラーレンへ移動しました。
「普段はなかなか会えないヒバクシャがオスロに来ている」ということで、日本メディアだけでなく現地メディアからもたくさんの取材依頼があったため、ここで2時間ほど時間を設け個別やグループで取材に応じます。
被爆体験に関することだけでなく
・オスロを訪れた感想
・被団協の平和賞受賞を知ってどう感じたか
・これからの世界に望むこと
さまざまな質問に答えました。

インタビューに答える柳生ご夫妻

取材がない待ち時間では、会場が用意してくれたお茶やお菓子を楽しんだり、交流会で渡すおりづるを折ったり。
現地滞在1日目だったこともあり、「普段どんな活動してるの」「ツアー参加のきっかけは」などを話す姿も見られ参加者どうしの交流時間にもなりました。
最後は、オスロの画家が平和への願いを込めて描いた絵画がプレゼントされ、参加者を代表して吉川徹さんと塚本久美子さんが受け取り感謝を述べました。

絵を受け取る吉川徹さんと塚本久美子さん

 

そしてこのメディア取材と同時刻に、オスロ市庁舎近くの広場ではアートイベントが開催されました。
ツアーメンバーを代表して青木さんが参加し、広場に集まった市民へむけて自身の被爆証言と平和へのメッセージを伝えます。
ここにも被爆者の活動を取材するためにメディアが集まりました。

アートイベントの様子

 

みんなが合流したあとはオスロ大学植物園に移動し、被爆樹木の植樹セレモニーに参加します。
ここは、7年前にICANがノーベル平和賞を受賞したときにも被爆樹木の種子を植えています。今回は新たな種子の贈呈に加え、7年前に植えて育った苗を植え替えます。
当時の植樹セレモニーにも参加した佐久間邦彦さんが代表の挨拶として、再び苗たちに会えた喜びを表すとともに、
「この苗たちは7年、世界の核廃絶の動きを見守ってきた。今の世界情勢をみてどんな気持ちだったのだろう。」
と心を寄せました。
植樹セレモニーには、俳優のサヘル・ローズさんも参加されました。

被爆樹木の前で記念撮影をする佐久間邦彦さんとサヘル・ローズさん

 

植樹セレモニーのあとはみんなで夕食会。
ここで一息つきますが、本日のイベントはまだ終わりではありません。

夕食後、オスロ国立図書館へと移動し、ツアー参加者最高齢の橋爪文さんの証言会をおこないました。
爆心地から1.5km地点で被爆した橋爪さん。
爆風で散った窓ガラスによって右こめかみ付近から大量に出血し生死の境をさまよいながらも一命を取り留めます。
「出血死するときは、ゆっくり眠りに落ちていくようで気持ちがいいの。だからみんなが必死に声をかけてくれたけれど、このまま寝かせてほしいって思ってた」
当時、自分が感じた感覚を教えてくれました。

当時の話をする橋爪文さん

街は黒焦げになった人、お腹が裂けて腸が飛び出た人、逃げる途中でたくさんの死体を目にしましたが、それはもはや人なのか分からなかったそうです。
街のすべてが燃え、これまでの日常、人としての尊厳は一瞬にして奪われてしまったあの日。
それでも広島の土は原爆に負けることなく新しい草が芽吹きました。
「緑が人間に生きる力を与えてくれる、命の色、生きる色だと実感しました」
そう橋爪さんは伝えます。

橋爪さんの証言会のあと、会場の外でキャンドルイベントがおこなわれました。
平和、核廃絶を願う市民も参加しました。
ツアー代表者としてスピーチをした林勝美さんは
「政治家には、戦争に勝利して得る功績ではなく、戦争をやめた英雄として歴史に名を刻む功績を求めてほしい」と即時停戦を訴えました。

キャンドルイベントでスピーチをする林勝美さん

 

生涯をかけて核廃絶と平和を訴えるお二人の想いは、命のバトンとして多くの人の心へと託されたことでしょう。

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