2008年_第1回ヒバクシャ地球一周(第63回ピースボート)

ベネズエラで取材多数、文部大臣と面会

この間更新が遅れてしまったが、ベネズエラ代表団の11月6~7日の活動を報告する。

11月6日は、被爆者のみなさんがテレビ、ラジオ、新聞社によるインタビューを受けた。

最初のインタビューは南米多国営TeleSUR(テレスール)ニュース・テレビ局によるもので、田中稔子(70)さんが被爆時の状況と放射能の後遺症について述べた。また、南米共同体UNASUR(ウナスール)が核廃絶のリーダーになれるのだと言った。

ベネゼエラ

キャプション テレスールに出演する田中さん

AVNニュース局によるインタビューには、被爆者全員が参加し、それぞれが被爆証言を行った。記者から「日本では若者に被爆体験が語り継がれているのか」という主旨の質問があり、田中さんが「若者は直接体験していないため難しい面もあるが、受け継ごうと努力をしている」と述べた。その後スタッフが記者に証言の感想を聞いたところ、1人は涙ぐんでおり、もう1人は資本主義体制は戦争によって支えられていることを再確認したと語った。

YVKE国営ラジオのインタビューには川崎武彦(77)さんと渡辺淳子さん(65)が参加し、被爆証言を行った。最後に、川崎さんが、原子力発電所が引き起こす事故の可能性について述べ、放射能を正確に測定する技術が得られるまでは、原子力発電所ではなく、風力発電や太陽熱発電などを利用すべきだと語った。

ベネゼエラ

キャプション YVKE国営ラジオで語る川崎さん

ANTV国会テレビのインタビューには、井口健さん(77)と田中さんが参加し、被爆証言を行った。井口さんは、これまでの活動として、ラグアイラ市で行った証言活動を挙げ、ラグアイラ市が平和市長会議に加盟したことを述べた。また今後、ベネズエラのチャベス大統領とエクアドル副大統領に面会する予定であることを語った。田中さんは、被爆者の抱える心の傷を語り、ラテンアメリカ社会に核廃絶を訴えた。また11月25日と26日に、ピースボートに乗って97名の仲間がベネズエラに来て、証言活動を行う予定であると述べた。ピースボートのグティエレス一郎はラテンアメリカが最初の大陸規模の非核地帯を形成し、南米共同体発足の核廃絶の意志について、域内だけではなく外交によってその精神を他の地域に広めるべき、ベネズエラ大統領とエクアドル副大統領にこのことを伝える予定だと言った。

ベネゼエラ

キャプション ANTV国会テレビに出演する井口さん

ベネゼエラ

キャプション ANTV国会テレビに出演する田中さんとグティエレス一郎(中央)

RNV国立ラジオ22時~24時に川崎武彦さんと渡辺淳子さんが出演した。番組内で質問を呼びかけると、他の州で番組を聞いている人が次々と電話をしきて、「黒い雨とは何ですか」「広島で被爆して今も残っている木の名前は何ですか」「アメリカに対して補償を求めないのですか」「投下時にお腹の中にいた胎児に影響はありましたか」などの多数の質問が寄せられた。それに対して二人が答えられる範囲で丁寧に答えた。ディスクジョッキーも「今日も放送はこれまでで一番感動的な内容でした。ヒバクシャの方々がこのラジオに出てくれたことは大変な名誉です。」と語っていた。

翌11月7日、ベネズエラ代表団は、文部省を訪問し、ヘクトール・ナバロ・ディアス文部大臣と面会した。それぞれの短い証言の後、広島を訪問したことがある大臣は、原爆の恐ろしさを世界中に伝えていくことの重要性を強調したあと、「ヒバクシャは人類の大切な記憶を世界に伝える平和の先生だ」と語った。教育や多文化交流について1時間ほど心のこもった意見交換をしたあと、大臣のはからいで、「ベネズエラの子供が平和を考えて描いた絵」のコンテストでグランプリをとった絵を記念にいただいた。

キャプション ディアス文部大臣(右)との面会

キャプション 文部大臣から絵の贈呈を受けた

その後、文部省庁内で証言交流会を行った。文部副大臣、国際部長などを始め、省庁の職員を中心に80名ほどの聴衆の前で、井口健さんと田中稔子さんがそれぞれ被爆体験と核廃絶への思いを語った。副大臣は「教育は重要だ。我々はヒバクシャの証言を広めていくことを約束する」、国際部長は「ベネズエラは爆弾を落とされたことはないが、証言を通して学んだ兵器の恐ろしさを伝えていくことが重要だ」という趣旨の発言をした。質疑応答の中で、一人の参加者が「映画でしか見たことがなかった原爆が、証言を聞いたことで、よりリアルなものに感じることができた。ヒバクシャが憎しみを越えて、世界を平和にしようと努力している姿勢を尊敬する」という発言をした。

キャプション 文部省での証言交流会

その後、ベネズエラ青年オーケストラシステムの6人の青年が、ヒバクシャのために捧げる「バッハの曲」を演奏したあと、ピースボートからベネズエラ文部省に贈呈した「ヒロシマ・ナガサキ写真展」のテープカットを行った。このポスター展は、今後ベネズエラ内23州で展示される。企画担当者は、「展示会では、ディスカッションも企画している。ヒバクシャはベネズエラの若者にとって重要な存在だ」と心意気を熱く語った。

キャプション 青年オーケストラシステムによる演奏

文部省の歓迎に手応えを感じた代表団は、省庁近くのレストランで食事をとり、ほんの一息ついた後、ホテルに戻りエルムンド誌の取材を受けた。そして明日また、新聞・ラジオの取材を受ける。こうして代表団はラジオ4局、テレビ2局、新聞雑誌4社の取材をこなした怒濤の一週間を終え、エクアドル訪問に備え、休息をとる。

キャプション 文部省で。右端が文部省副大臣、中央花柄ドレスの女性が国際部長。

(グティエレス一郎)

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