1.ヒバクシャ証言の航海

メキシコシティ訪問団③:在外ヒバクシャ・ヤマシタヤスアキさんとの出会い

本船を離れて巡業中のメキシコ・シティ訪問団にも、心強い先輩が同行してくださいました。ヤマシタ・ヤスアキ(山下泰昭)さんは、第1回「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」にも参加され、ドキュメンタリー映画「フラッシュ・オブ・ホープ」でも流暢なスペイン語で出演してくださっている、在メキシコ35年のヒバクシャです。
$ピースボート ヒバクシャ地球一周 証言の航海
スペイン語でのTVインタビューに応えるヤマシタさん

長崎で被爆した当時は5才でしたが、18才から10年にわたり長崎原爆病院に勤務されていました。その間、いわゆる原爆症で次々と亡くなるヒバクシャたちを毎日目の当たりにしていたそうです。被爆者であるわが身にもいつ非情な放射線の影響があらわれるのか、恐怖の重圧から逃れるためにメキシコに移住したのだと語られました。右も左も分からなかった新天地をよく知るために歴史を勉強した、と言われる博識な山下さんに、メキシコシティ滞在の4日間、たくさんのことを教えていただき、大変お世話になりました。

ヤマシタさんは現在、陶芸家として制作活動を行っていますが、柔和でほがらかなお人柄を慕って、若い芸術家たちが自然とヤマシタさんの周りに集ってくるようです。
$ピースボート ヒバクシャ地球一周 証言の航海
柔らかな口調で、若い人とは、まず「平和」を考えることが大事だと

同じく陶芸家の奥野さん、そして馬場奈津実さんとヒバクシャ一行の幸運な出会いも、ヤマシタさんのご紹介でした。馬場さんは、メキシコの壁画文化に魅せられて留学、もうすぐ在住1年になる長崎出身の壁画アーティストです。日本を出て、メキシコに来た途端、様々な人々との交流の中で、これまで意識してこなかった「日本人である自分」と向き合う必要性を強く感じ、中でも「被爆地・長崎出身の自分」について考えているのだとおしえてくれました。

ヒバクシャ一行も、この地球一周・証言の航海を通して、核保有国の市民や、日本の侵略戦争被害者、現在の紛争に巻き込まれている子供たちなど、さまざまな立場の人々に出会う中で、「被爆者である自分の役割」を多角的に考えざるを得ませんでした。世代を超えて、共通の問いについて語り合うことができる、これこそまさに旅の出会いの醍醐味ではないでしょうか。すぐに答えが出せないこの問いかけに、それぞれがどのように応えてゆくのか。旅が終わってからも、遠くても一緒に歩む仲間がいると知ることが、力をくれると信じています。

(小松真理子)

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