1.ヒバクシャ証言の航海

原発に関心の高いイタリア・ナポリで証言会

3月14日(月)と15日(火)にナポリで証言会が複数行われました。中学生の関心がどこまであるのか、果たしてメッセージの意図は伝わるのか、と心配していたのが嘘のように熱心に聞き入っていました。また、イタリアでは6月に原発に賛成か反対かの国民投票が行われることもあり、現在の日本の状況を見た上で「どうして原発に反対しないのか」という質問がでたことが、特徴でした。

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今日はイタリアのナポリで証言会を行った。午前中は国立の学校に行った。被爆者の田崎昇、末永浩、被爆二世の坂口博子の3氏が証言した。200名ぐらいの生徒が非常に熱心に聞いてくれた。証言の後、沢山の質問が出た。その中の一つには「被爆国日本は、何故危険な原発に反対しないのか」という質問もあった。
証言会の後、生徒は教室に戻り、被爆者がそれぞれ分担して、教室でおりづるの折り方の講習会を実施した。言葉が分からないので、英語を交えて実際に見せながら皆で折っていく。素直に良く聞いてくれて、全員上手に完成することが出来た。このことで、子供たちとすっかり親しくなって、別れがつらくなったが、見えなくなるまで手を振りながら学校を後にした。

    ピースボートのおりづるプロジェクト-ナポリの学校でおりづる教室

午後からは、ナポリ大学で開催中の児童文学の集りに招かれて、証言会を実施した。小学校の子供から年配の方々まで150名ぐらいの集会で、私と山中恵美子氏が証言した。この会場でも皆さんが熱心に耳を傾けてくれて、「核兵器廃絶と戦争のない平和な世界」の訴えには、若者が何枚ものプラカードをあげて応えてくれた。力強い行動に対し本当に嬉しかった。

    ピースボートのおりづるプロジェクト-ナポリ大学で証言をする西田さん

    ピースボートのおりづるプロジェクト-証言会では原発反対のカードを見せる方々も

ここでもいろいろと質問が出た。「被爆国日本は、何故危険な原発に反対しないのか」という同じ質問が、今度は大人から出た。
イタリアでは、原発は1箇所のみあり現在中断中である。6月頃に賛成か反対かの国民投票が行われる。このようなことから、イタリアでは、原発に対する論議が活発化しており、子供から大人まで関心が極めて高いようだ。
日本では、今まではどうであったろうか。
今回の地震と津波災害による福島原発の事故を教訓に、日本でも原発について皆で大いに議論すべきであろうと思う。今は、ただ、これ以上の大惨事に至らないことを願うのみである。(広島被爆者・西田吾郎)
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