国連が定めた国際平和の日・ピースデーである9月21日に開催された平和やサステナビリティーをテーマとした、国際平和映像祭。
UFPFFとはUnited for Peace Film Festivalの略称で、人のつながりを作り、違いを知り、共通点を知ることが平和の礎になると考えています。
第一回目の開催となった当映画祭は、9.11から10年目にあたる9月11日から、ピースデイの9月21日までの11日間開催。この期間中、日本全国に呼びかけてピースディを創設したジェレミー・ギリさんのドキュメンタリー映画「ザ・デイ・アフター・ピース」と、ファイナリストの作品の上映をしてきました。
UFPFF代表理事 関根健次さん
この最終日となる21日には和太鼓のパフォーマンス、ファイナリストの13作品発表、日本紛争予防センター事務局長・瀬谷ルミ子さんの基調講演、各賞の授賞式、そしてピースデイセレモニーが行われました。
開会を祝うような和太鼓の演奏
13名のファイナリストの作品は、どれも独特の視点から「平和・サステナビリティー」を捉えていて、改めて「平和とは」を考えさせられる良い機会となりました。
基調講演とその後のパネルディスカッションで、瀬谷ルミ子さんが「これまでの10年間、紛争地に赴いていて思うのは、紛争地には生き方の選択肢がないという共通点。そして、近年日本と紛争は断絶していない。その理由としては紛争の形が変化してテロという形で世界のどこにでも脅威はやってくるようになったこと。そして第二次世界大戦後に廃墟から立ち上がり、暴力によらずに世界有数の経済・技術大国になった尊敬すべき日本、という認識で信頼されていること。日本人に言われるから武器をすてる、とまで言われる。」と話していました。
また、「今私たちがすべきこととは?」との質問には「世界の人々の声なき声を誰かに届ける。そんなアクションを取ること」と答え、最後に「現在GDP世界3位の日本が2050年には8位になる。ここからの数十年の間に世界がどのように変化し、日本がどういう位置に立つのか、どのような経済を目指していくのか、などを考えなければならない。そのためにも今が分岐点。選択肢は目の前にある。経済、エネルギー、個人のすべての”あり方”を問い、アクションを取るかどうかはその人次第」と語りました。
基調講演をする瀬谷ルミ子さん
会場の観客もファイナリストたちも、真剣に聞いていました。
そして、授賞式です。
「2012年1月からの第5回おりづるプロジェクトに映像スタッフとして乗船する交渉権を得る」ピースボート賞は、スペインのマドリード・コンプルテンセ大学のダニエル・ヴィラ・グラシアさんの「Las 1000 grullas 1000羽の鶴」に送られました。
受賞の言葉でダニエルさんは「この大切なプロジェクトをもっともっと広めないといけない。そのための一歩になれば」と喜びを表現しました。
また、ピースボート川崎は「2008年から広島・長崎の被爆者に一緒に船に乗ってもらって世界で被爆の実相を証言として話し、核なき世界の実現を目指している。今年の3月以降、原発やエネルギーについても問われている。その意味深いプロジェクトの名前が『おりづるプロジェクト』なので、ダニエルさんとはうまくやっていけそうですね。これからの交渉が楽しみです。」とお祝いの言葉を添えました。
瀬谷さんの印象的な言葉「世界の人々の声なき声を誰かに届けるアクションを取る」「経済、エネルギー、個人のすべての”あり方”において今が分岐点。アクションを取るかどうかはその人次第」。これはまさにおりづるプロジェクトの目指す「被爆者の声を世界に」「原発のない社会にシフトチェンジするには今が分岐点。行動を取るべき時」ということですね。
来年以降も続く映画祭、今後もご期待ください。
ピースボート賞受賞者ダニエルさんとプロジェクト主催者の瀬々真紀子さん
ピースボート 渡辺里香
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