1.ヒバクシャ証言の航海

メキシコシティで外務省を訪問し、証言会も行いました

船からメキシコシティに来ている池田昭さん、宮田隆さん、そしてメキシコ在住の長崎被爆者・山下泰昭さんの3人を含む一行は9月20日、メキシコシティで精力的なプログラムをこなしました。

午前中にはメキシコ外務省の招待で、トラテロルコ条約の原文が保管されている資料室を見学させてもらいました。トラテロルコ条約とは1967年に作られたラテンアメリカ非核地帯条約で、世界初の非核地帯条約です。メキシコ政府は、この条約をトラテロルコ遺跡(アステカ先住民時代の遺跡)のある旧・メキシコ外務省にて調印したことを誇りにしています。

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(外務省の条約原典などが保存されている資料室の前で)

そして、トラテロルコ条約の策定に携わったセルヒオ・ゴンサレス・ガルベス名誉大使から、同条約制定のプロセス、苦労話や条約の意義と問題点などの包括的な解説をいただきました。

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(トラテロルコ条約制定に関わったガルベス名誉大使(左))

会合にはさらにカルロス・デ・イカサ・メキシコ外務省筆頭次官が加わり、メキシコが核兵器のない世界の実現のために一貫して努力していることをお話しされました。

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(奥の中心がデ・イカサ筆頭次官)

メキシコ外務省の軍縮部門の責任者、トニー・ハケスさんは来年2月にメキシコで開催される「核兵器の非人道性に関する国際会議」に言及しました。ピースボートからは、同会議を歓迎し、日本の多くの市民や被爆者、そして核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)に連なる世界の多くの市民がこれを応援していることを伝えました。

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(長崎市長からのメッセージと故・山口仙二さんの写真をデ・イカサ次官に贈呈)

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夕方には、外務省の隣にある「記憶と寛容の博物館」にて、証言会を行いました。約150名の市民やNGO関係者が参加し、政府関係者も参加しました。この博物館はアウシュビッツのホロコーストをはじめ、世界のさまざまな虐殺などの展示が行われているところです。しかし広島・長崎に関する展示はなく、これから計画をしようとしていたところとのことです。会をホストとしてくださった同博物館のミリー・コーエン副館長に、原爆写真ポスター30枚セットを贈呈しました。

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山下泰昭さんと宮田隆さんによる証言に、参加者たちはじっくりと耳を傾けました。池田昭さんが核なき世界へのメッセージを力強く発し、来年の「非人道性」国際会議での一歩前進を訴えました。ユース特使の瀬戸麻由さんが、参加者たちに問いかけをしながら、これらの証言の進行役を務めました。

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(メキシコ在住の山下泰昭さんはスペイン語で証言をしました)

会場には主要テレビも含め多くの取材があり、今後の報道が期待されます。

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(ピースボート・川崎哲)

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