1.ヒバクシャ証言の航海

【本船より】9月17日、18日エルサルバドルで証言会

エルサルバドル寄港に伴い、9月17日にアカフトラ市内で、18日に首都サンサルバドル市内で証言会を行いました。

◆17日 @アカフトラ
港から車で10分ほどのところにある公園で証言会を行ないました。エルサルバドル内戦で被害にあった人たちの団体「Network of Survivors Foundation」が受け入れてくれ,中でもICANでの活動にも尽力しているJesus Martinezさんが証言会全体をコーディネートしてくださいました。

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証言会をコーディネートしてくださったJesus Martinezさんエルサルバドルの内戦により両足を失ったそうです

聴衆は地元市民を中心に200人ほどが集まってくれました。中でも、せっかく被爆者が来ているのならば!と、子ども達が学校を休んで来てくれていました。また、おりづるプロジェクトのゲストとして乗船していただいた、軍縮教育活動家のキャサリン・サリバンさんと、原爆投下を命じたトルーマン元米大統領の孫であるクリフトン・ダニエル・トルーマンさんも証言会に参加し、熱心に被爆者の声に耳を傾けていました。

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熱心に証言を聞く、軍縮教育活動家のキャサリン・サリバンさん(写真左)とクリフトン・ダニエル・トルーマンさん(写真右)

証言者は、若年被爆者の高村秀樹さんと岡本忠さん。どちらも1歳のときに被爆したため原爆の記憶はありません。どうしたら自分達のメッセージが伝わるかと悩みながらも、航海を通して感じたことや今の世界の核の状況などを盛り込みながら、それぞれの想いを伝えました。

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証言をする広島被爆の岡本忠さん(写真左)と高村秀樹さん(写真右)

今回の証言会の中で、一つ大きなテーマとしていたのが平和首長会議への加盟の促進です。おりづるユース特使の瀬戸さんからアカフトラ市長へ平和首長会議への加盟を呼びかけると、「平和な世界を築くため、アカフトラ市もぜひ平和首長会議に加盟しましょう」と前向きに返答してくれました。

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平和首長会議への加盟を呼びかけるおりづるユース特使の瀬戸麻由さん

証言会後は、エルサルバドル内戦の被害者の皆さんを船へ招待し、船内にて意見交換会を行いました。アメリカ人であるキャサリンさんから「日本の原爆にも、エルサルバドル内戦にもアメリカが関わっているので、とても複雑な気持ちでいる」という発言があったり、紛争当事者から「被爆者、自分たち内戦被害者、アメリカの3名が同席していることは奇跡に近い。共に対話を通して平和を築いていきましょう」との発言があったりと、とても有意義な会となりました。

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証言会後、船内で紛争当事者とディスカッションを行いました

◆18日 @サンサルバドル
翌日、18日は首都サンサルバドルの外務省内にある外交研修高等教育専門研究所で証言会を行ないました。港への車の手配から証言会、食事、観光、すべて外務省の担当者がオーガナイズしてくれました。

証言会の聴衆は政府関係者、市民、学生など70人ほど。冒頭には外務大臣からスピーチをいただいたほか、内務大臣(MINISTERIO DE GOBERNACION,Mr.Gregorio Ernesto Zelayandia)、州知事、在日エルサバドル大使(Mrs.Martha L. Zelayandia)、在エルサルバドル日本大使(参事官、三井靖広氏)なども同席し、熱心に証言を聞いてくださいました。

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各国の大使や市民、学生など。熱心に耳を傾けてくれました

証言者は、8歳のときに広島で被爆をした八幡照子さん。この日の証言会ために、連日夜遅くまで練習を重ね、本番では原稿をもたず会場に話しかけるように被爆経験をお話されました。心のこもった八幡さんのメッセージに、会場の中には涙する人も見受けられました。八幡さんの証言の後は、ほか6名の被爆者の皆さんにも一言ずつ挨拶をしてもらい質疑応答に。あっという間に時間が過ぎてしまうほどに、会場からはたくさんの質問やメッセージをもらいました。

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8歳で広島で被爆した八幡照子さん

証言会後、17日、18日両日かけつけてくださった在日エルサルバドル大使から「被爆者がエルサルバドルに来たのは初めて。歴史的な一日となった」と仰ってくれたことからも、お互いにとって本当に有意義な証言会になりました。また、内務大臣自ら、エルサルバドル国内で平和首長会議の加盟促進に尽力すると仰ってくれ、今後の連帯に多いに期待できそうです。

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なかなか寄港できないエルサルバドルにて、とても意義深い交流・証言会ができました。今回の会をつくるために尽力してくださった皆さまに感謝です!

ピースボート古賀早織

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