2008年_第1回ヒバクシャ地球一周(第63回ピースボート)

第一次大戦終結の日に行われたスペイン・カタルーニャでの交流

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左からバルセロナ市長補佐、ピースボート・スタッフの平瀬、松本美都江さん、迫さん、土井さん

11月11日に訪れたスペイン・カタルーニャ自治州の州都、バルセロナ。街中に奇才アントニオ・ガウディが設計した建造物がいくつもあり、中でも彼の代表作であるサグラダファミリア(聖家族)教会は、着工から100年以上経っても未だ完成しないことでも知られている。
本船に先立つこと3週間前、おりづる国連訪問団がスペインを訪れ活動をしていたこともあり、地元メディアの関心も高く、午前中に船内で記者会見を行う。デッキにて集合写真の撮影後、新聞社、テレビ局、ラジオ局の取材陣がごった返す船内会見場にて、竹内貴美子さんと肥高邦秀さんがおりづるを代表して会見に応じる。

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3週間ぶりの再会となった中村キクヨさんと平和団体NOVAのオリベッラさん

午後からは2グループに分かれ、バルセロナ市役所でのレセプションと、近隣のグラノイェ市にある平和文化センターで現地の高校生との交流となる。ここカタルーニャは第1次大戦後に勃発したスペイン内戦で、フランコ将軍率いる右派に対し左派・人民戦線政府の拠点として最後まで抵抗したため、フランコの要請を受けたナチスドイツやムッソリーニのイタリア軍から激しい空爆を受けた。今もその傷跡が随所に残っている。
バルセロナ訪問組は、市内に残る戦跡などを見学した後、バルセロナ市役所へ向かった。残念ながら市長は公務のため欠席であったが、マルティ市長補佐から1939年にイタリア軍による大空襲の話を聞き、松本美都江さんと迫青樹さんが被爆証言を行う。松本さんは、63年経った今も救急車のサイレンや飛行機の爆音に対する恐怖心を拭えない心情を語り、母親の胎内でヒバクした迫さんは幼い頃、髪の毛が抜けた体験を踏まえ、現在も世界中に核が存在することに触れ、ノーモアヒロシマ・ノーモアナガサキと締めくくった。また市長に代わって、ヒロシマナガサキ議定書への賛同署名を約束してくれた。

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歴史を感じさせるバルセロナ市庁舎内の一室にて記念撮影

その後、訪れたサグラダファミリア教会では、サグラダファミリア財団のホアン・リゴル会長の招きを受け、教会の尖塔がそびえ立つ前で、歓迎の挨拶を受け、一同感激を受けた模様。

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サグラダファミリア教会を前に財団リゴル会長の挨拶を聞く

一方のグラノイェ市もまたスペイン内戦で大きな被害を受けた場所であり、スペイン平和市長ネットワークの中心的なメンバーとして、ヒロシマナガサキ議定書にも既に賛同署名を済ましているリーダー的な存在である。交流場所となった平和文化センターは、内戦終結後70周年に当たる今年、オープンしたばかりの施設で、今回の行事も戦争の歴史的記録を風化させないためのプログラムとして設けられたもの。内線当時に使用された防空壕や空爆跡地の見学や、現地の高校生2グループを相手に、活発な交流を行った。

夜は、船内でカタルーニャ州自治政府の関係者を招いてのレセプションを行う。5~60名ほどの招待者を前に、ヒバクシャからは磯博夫さん、渡辺典子さんが現在も自身や友人がヒバクによって苦しめられていると語り、9条ユースアンバサダーの中島泰子さんが、ヒバクや国際問題に関心があるカタルーニャの皆さんにどうか平和憲法である9条の意義を理解し、広めて欲しいと訴えた。スペイン側からは、昼に訪れたグラノイェ市長やカタルニア州議会議長らが出席したが、グラノイェ市長は「今日は同じ平和市長会議メンバーである秋葉広島市長と電話会談で今後の活動について話し合ったが、できる限り平和活動に取り組んでいこうと確認しあった」と述べた。
この日11月11日は、奇しくも第一次大戦終結の日。過去の大きな戦争が終わった記念すべき日に相応しく、活発な交流に終始した1日となった。

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船内に展示された原爆の資料を見るカタルーニャ州政府関係者

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船内レセプションで挨拶するカタルーニャ州議会議長

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