3.核廃絶へのいろいろな動き

江古田映画祭で「ブラジルに生きるヒバクシャ」を観てきました!

3月1日から15日までの期間、江古田にあるギャラリー古藤で、第3回江古田映画祭「福島を忘れない」が行われています。
この映画では原爆や原発などをテーマにした22の作品が上映されています。毎日一日中参加していたいほど魅力的な作品が目白押な上、多くの監督が上映前後にトークライブを行ってくださるのも大変嬉しい映画祭です。そんな中、3月10日(月)には有原誠治監督が日本語版の制作を担当された「ブラジルに生きるヒバクシャ」が上映され、わたくし畠山澄子が鑑賞してきました。ちなみに有原監督は「アンゼラスの鐘」の監督もされた方です。
「ブラジルに生きるヒバクシャ」はロベルト・フェルナンデス監督というアルゼンチンの映画監督がブラジルで撮った作品です。広島から移民となってサンパウロで暮らす被爆者たちを追ったドキュメンタリー映画で、日本政府に援護を求めながら、被爆体験を語り核廃絶を訴える在ブラジル被爆者のみなさんが丁寧に描かれています。
実はこの映画に出てくるブラジル被爆者平和協会の会長は第1回おりづるプロジェクトに参加された森田隆さん。当時すでに84歳でしたが、その溢れんばかりの情熱と優しさはピカイチで、船内でも多くの若者を虜にしていました。この映画にはその他にも第1回はじめピースボートに何度も乗船している渡辺淳子さんや、第3回のおりづるプロジェクトに参加された盆子原國彦さんも登場します。
この映画ではブラジルで暮らす被爆者のみなさんが原爆を経験してからブラジルに移住するまでの道のりや、ブラジルに移って被爆者の援護を求めて立ち上がるまでの闘いの日々が描写されます。それだけではなく、ブラジルの被爆者が、核廃絶のために地元の学校や市民社会と協力してどのような活動を行っているかもよくわかります。長年にわたる活動の結果、2011年にはサンパウロにある州立職業学校のETECサント・アマーロ校が「ETECタカシ・モリタ校」に名前変更をしたというストーリーもあります(詳しくはこちら)。また、この活動には被爆者の方のみならず、森田さん始めブラジル被爆者平和協会の方々の活動に感銘をうけて活動に参加した地元の方の姿もあります。

さらに心動かされるのは、世界のヒバクシャのために立ち上がる被爆者のみなさんの姿です。ブラジルでは1987年にゴイアニアという場所で、廃院となった放射線治療医院からセシウム137線源が持ち出されて廃品回収業者の作業場で解体され、セシウム137による広範な環境放射能汚染と多数の人々の被ばくが生じました。この事故の被害者も同じヒバクシャという認識のもと、ブラジル被爆者平和協会では彼らへの適切な支援を応援する活動にも積極的です。ノーモアヒバクシャというメッセージをまさに実行しているみなさんの姿には観客にいらしたみなさんも思わず涙されていました。

上映会後は、有原監督やNPO法人世界ヒバクシャ展のみなさん、その他アニメや英語といったツールを通して平和や核廃絶の運動に関わるみなさんとお食事をしました。このつながりを大切に、また新たな活動の足掛かりになればと思います。


右が有原誠治監督

「ブラジルに生きる被爆者」は近日中にDVDとして発売される予定だそうですので、関心がおありの方はぜひご購入ください。おススメです。
また、当日の上映会の様子はこちらの映画のホームページでも紹介されています。

(文責:畠山澄子)

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