3.核廃絶へのいろいろな動き

国会議員と熱く語った「核兵器のない世界に向けた日本の役割」

広島・長崎に原爆が投下されてから、今年2022年の8月6日、9日で77年を迎えました。世界は、核兵器禁止条約の成立と共に核兵器を禁止し使用しないための道を着実に歩み始めています。しかし、ロシアによるウクライナに対する戦争では核兵器の使用さえも示唆され、核兵器使用の現実的な脅威に直面しています。

ピースボート・おりづるプロジェクトは、この夏も、改めて核兵器の非人道性を日本と世界に伝え、核兵器廃絶を求める取り組みを行いました。その取り組みを一つずつ紹介します。

議員討論会「核兵器のない世界に向けた日本の役割」

8月5日午後6時、広島市内にて、ピースボートも参加している核兵器廃絶日本NGO連絡会の主催で行われました。(討論会の概要はこちら

この討論会には、国会より8政党の代表者、有識者として藤原帰一東京大学名誉教授、ユース代表の田中美穂カクワカ広島(核政策を知りたい広島若者有権者の会)共同代表、被爆者を代表し、原爆小頭症被爆者と家族の会(「きのこ会」)の長岡義夫代表、川下ヒロエさんが参加しました。

議員討論会の様子

ロシアによる侵攻と「核の威嚇」で世界の平和が脅かされる中、核兵器禁止条約第1回締約国会議、8月の核不拡散条約(NPT)再検討会議をふまえて日本がどのような役割を果たすべきか、下記3つのポイントで議論が行われました。
■核兵器禁止条約―第1回締約国会議の成果と第2回会議(2023年11月)への課題
■核不拡散条約(NPT)再検討会議―8月に開催中の会議における日本の役割
■G7広島サミット(2023年5月)―サミット開催を核兵器廃絶につなげるために

ピースボートからは、運営側として渡辺里香と松村真澄が参加しました。ANT-Hiroshima のみなさんが中心となり、NGO連絡会に関わる方々が加わり、討論会はスムーズに進行しました。

発言する藤原帰一教授

印象的だったのは、核抑止を肯定する発言への藤原帰一名誉教授のコメントでした。「私は、抑止には賛成だが、核抑止には反対。通常兵器による抑止は、核抑止より不安定である。したがって、抑止力と緊張緩和がセットでなければ問題は解決しない」と厳しい口調と姿勢で、いま世界が抱える核使用の現実性と危機感を会場に響かせました。

今年で3回目となった同討論会では、国会議員の核兵器禁止条約への意識が上がっていることを実感しました。私たちの参加要請を待たずして討論会への問い合わせを寄せた代表もいたほどです。

当日運営のみなさんと

来年には、広島でG7サミットか開催れます。核兵器に頼る安全保障から脱却し、外交重視へシフトすることの重要性と必要性を、訴え続けていきたいと思います。日本政府にも、核兵器保有国にも。

 

当日の映像

この討論会は、新型コロナウィルス感染症対策のため無聴衆で行われました。討論会の様子は、こちらから視聴可能です。

 

文:松村真澄

関連記事

  1. エリカ・バニャレロ監督のコメントが掲載されました
  2. 外務省のウェブサイトに被爆証言、各国語で
  3. 松山の被爆者・松浦さん、福島の被災者と共に「原発のない社会」訴え…
  4. メダル展示が長崎で始まりました&「ICANサポート・ナガサキ」発…
  5. 71年目の夏~長崎~
  6. 三宅信雄さん:映画監督のインタビューに答える
  7. 被爆者の声と非合法化への議長総括
  8. 広島が今後も核軍縮・不拡散の発信地で有り続けるために
PAGE TOP