みなさんこんにちは、おりづるユースの安藤真子です。
早くも11の寄港地が終わり、ポルトガルに向かっています。
さて、今回は10月9日に訪れたスペインのグラナダでの証言会についてです。
グラナダは港のあるモトリルという街から車で1時間ほどのところにあります。
グラナダ大学の政治・社会学部の受け入れで証言会を行い、社会学、法学、国際関係学等を学ぶ約60人の学生が参加してくれました。
まず、今回受け入れをしてくださった研究者のクローイ・ムルウォーターさんから歓迎の挨拶をいただきました。昨年採択された核兵器禁止条約の意義と、スペインが条約に反対の立場をとっているとの状況についても説明してくださいました。
そしてピースボートとおりづるプロジェクトの紹介を行い、空民子さんの証言がはじまりました。
爆心地より1.4kmで被爆した空さんは、1km圏内と1.5km圏内では大きな差があったことや、自らが生と死の境目にいたことを話してくださいました。
また、小学生の頃に「毒がうつる」と言われたことや、被爆者が原爆投下後に受けてきた差別についても話してくださいました。
参加者ははじめて聞く生の被爆体験に、メモを取りながら真剣に聞いている印象でした。
続いて、塚本美知子さんの証言です。
「核と人間とは絶対に共存できません」という言葉から始まった証言は、とても力強く、聞いていた学生らも背筋が伸びたのではないかと思います。
美知子さんもABCCが調査は続ける一方で治療を全くしないことや、プレスコードなどによる被爆者の苦悩について話して下さいました。
参加者は、8月6日の出来事だけではなく、その後も続く苦悩については初めて知るといった表情でした。
そして最後に私自身も同世代の若者としてのメッセージを伝えさせていただきました。
遠く離れた場所にいる同世代に「これから私たちはどんな未来を選ぶべきでしょうか?」と投げかけることができる機会になりました。
証言の後の質疑応答では、「日本はなぜ核兵器禁止条約に参加していないのですか」という質問がありました。唯一の戦争被爆国で、核兵器廃絶をリードすべき日本が参加していないという矛盾はスペインの学生も疑問に思ったに違いありません。日本にも「アメリカの核の傘に守られている」と考える方が少なくなく、スペインも同様にアメリカの核の傘にある国です。この「核の傘」が意味することを、私たちは考えながら今後の選択をしていくべきではないでしょうか。
終了後は空さんが持ってきてくださった原爆焼をよく見たいとたくさんの学生が集まりました。また、ヒバクシャ国際署名には30名以上の方が署名してくださいました。
最後に残ってくれた学生たちと一緒に。
被爆者のお二人の証言を間近で聞き、バトンを受け取ってくれた学生たち。核兵器に頼り続けていくのか、核兵器のない未来を選択していくのか、一人一人が考えるきっかけになっていたら嬉しいです。
おりづるユース・安藤真子
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