3.核廃絶へのいろいろな動き

ヒバクシャの声を聞くーヒロシマ・ナガサキ75年 第4回:李鐘根さん

7月31日、広島と長崎に原爆が投下されて75年となる節目となるこの年に、核廃絶国際キャンペーン(ICAN)が行う、核廃絶キャンペーンの一環として広島在住の在日コリアンでありヒバクシャの李鐘根(イ・ジョングン)さんによる証言会がZoomにてオンラインで行われ、70名以上の方が参加されました。
今回、証言をしてくださったのは広島で被爆した李鐘根さん。現在も広島に住まわれています。今回の証言会では日本語で話され、英語と韓国語に同時通訳され世界各国へその声を届けました。

二重の苦しみ

在日コリアンであるが故の幼少期からの差別や、街中で受けた屈辱的な体験にも抗議が出来なかった苦しみも語っていただきました。

1945年、16歳だった李さんはヒロシマの爆心地から1.8km離れた場所で被爆しました。当時の生々しい被爆時の様子を多くの写真や絵を用いて伝えてくれました。
閃光の後、真っ暗になる様子や一瞬で街が崩壊し、「助けてくれ~」という声が聞こえていたが、一人も助けることが出来なかったことに後悔の念を持ってることや、被爆後に首から湧いてくるウジ虫を母親が「(こんな苦しみを受けるなら、あまりにもかわいそうで)死んだ方がいい。早く死んで」と言いながら取ってくれたことについて、言葉を詰まらせながら当時を振り返りました。

李さんが証言に使用された画像より

李さんが証言に使用された画像より

被爆証言をする理由、伝えたいこと

2012年にピースボートに乗船し被爆証言をするまでは被爆体験を話したこともなく、「李鐘根」という本名ではなく「江川政市」という日本名で過ごされていたそうです。

闘病で苦しんでいた李さんを見て、湯飲みに油を入れて持ってきてくれた近所の方がいたようで、その方のために今は生きていると力強く語ってくれました。この体験から、どんな状況でも「人に優しく」ということを証言の中で伝えたいという言葉が印象的でした。

身近な人でいいので、今日聞いたことを話してほしい。
また、この世の中に核はあってならないもの。
たった一瞬の出来事ではない。何十年経った今でも苦しみは続く。
核廃絶こそ平和の原点。
また、命の平等と無差別を訴えていきたいと、「核を持っているのは犯罪だ」というローマ教皇の言葉も紹介し一日も早い核廃絶に向けての熱い気持ちを語ってくれました。

証言をする李鐘根さん

最後に

李さんの生の声を聴くことで、ヒバクシャは日本人だけではないと再認識することが出来ました。李さんは92歳。ヒバクシャの平均年齢は83歳を超え、既に多くの方がこの世を去られました。私たちがヒバクシャの生の声を聴ける時間はあまり多く残されていません。

コロナ禍でWebを介して様々なイベントが行われています。普段は聴くことが出来ない方々の話を聴くことができます。話を聴き、今一度ヒバクシャの苦しみを感じ、核兵器の恐怖について考えることが核なき世界の第一歩になると感じました。

また、証言会前日は「黒い雨」が地方裁判所で認められました。日本国内でも核兵器について再度考える時が来たのではないでしょうか。

ピースボート 小村友貴

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