2月21日、徳島県内の中学生6名と、川崎哲さんのオンラインQ&Aセッションが行われました。SDGs(持続可能な開発目標)の一つ、平和について調べ、「核兵器について川崎さんに聞いてみたい」という声が生徒からあがり、実現したものです。
まず初めに、「戦争を防ぐためには、どうすればいいのか」という質問が投げられました。川崎さんは、「戦争の特徴は、組織的で暴力的、また大規模であることから大きな被害を及ぼす」ことを踏まえ、その戦争を起こさないためには、「戦争を行う『手段』と、戦争を起こす『動機』をなくすことが必要だ」と説明しました。例えば日本は、周辺各国との関係を分析し、争いの「手段」となる兵器をなくしていき、戦争に踏み込む「動機」をなくすための隣国との話し合いを促進すべきだと語りました。
テーマは核兵器禁止条約に移り、「日本が条約に入ったら、他の国に影響するのか」という質問があがりました。川崎さんは、「禁止条約には、現在、核兵器をもっていない国、いわゆる非保有国が入っています。でも、保有国や、核に頼っている国が入らなければ、核兵器はなくなりません。日本が核兵器禁止条約に入れば、その第1号になります。そうすると『お、日本が入ったんだ』と言って、同じく核に依存する国々が、『それだったら自分たちも入ろうか』と言って、他の核の傘の下の国、そして核保有国にも入る可能性が大きくなります」と答えました。
続いて中学生は、「川崎さんは今後、どう行動していきますか?」と質問しました。川崎さんは、「核兵器を持っていれば平和が保てる、というのは古い考え。でもこの古い考え方を変えるには時間がかかります。より若い世代を含む多くの人を核兵器は間違っていると理解してもらい、その人たちが声をあげるよう促していくことが重要です」と答えました。
中学生からは、自分たちができることとして、「核兵器が間違っていることを身近な人に伝えていく」「核兵器を持つことがどれだけ多くのひとを傷つけるかを知ってもらう」などの意見が出ました。また、自分たちが18歳になった時には、積極的に選挙を参加し、核兵器廃絶を支持している議員を選びたいと話しました。
先生からは、「川崎さんは、わかりやすい言葉で子どもたちに語りかけてくださり、子どもたちは『いろいろなことがわかり、よかった』と充実した顔でいっぱいだった」とコメントをいただきました。
中高生との対談を通じて、核兵器廃絶は次世代への伝承が非常に大切だと感じました。なぜ核兵器廃絶しなければいけないか、どうやって核兵器廃絶できるのかを学び、自分ができる小さいことを見つけ、世界を変えていこうという意思も生まれました。将来、彼らが平和のために貢献していくことを期待しています。
(インターン チョウ・ショウコウ)